集中を阻むのは「準備の悪さ」
集中力を瞬時に発揮するためには、何らかのスイッチが必要です。
記録を競うスポーツ選手ならホイッスルやピストル、
カメラマンならファインダーをのぞき込んだ瞬間、
試験なら「はじめ」ということばでしょうか。
バンド演奏などで、このスターターピストルの役目をするのが、カウント。
「ワン ツー スリー フォー」
ミュージシャンなら、これが聞こえた瞬間に、
どんなにふざけていても、酔っ払っていても、スイッチオン。
一流プレイヤーほど、劇的な集中力を発揮します。
なにはなくても、出音がすべて。
このカウントからはじまって、曲のエンディングまでの数分間が、
そのプレイヤーの真価を問われる、真剣勝負の瞬間です。
時代劇で言うなら、刀が鞘から出されて、再び鞘に収まるまでの、
決死の瞬間。
集中できなかったら、ゲームオーバーなのです。
多くのアマチュアプレイヤーは、この「劇的な集中力」に欠けています。
とにかく雑念が多い。
そして、その雑念のほとんどは不安や自信のなさからきます。
この音、これで合ってるかな?
あの人、今、俺を見たけど、なんか、ヘマしたかな?
次は譜面のどこ行くんだっけな?
俺の音大きいかな?
指、ちゃんと動くかな・・・?
この種の雑念を振り払うのは簡単です。
準備。これに尽きます。
準備が悪いから不安になる。不安が雑念になる。
雑念が多いから集中できない。
集中できないからいいプレイにならない。
こんなに図式は簡単なのに、そこに気がつかない人がたくさんいるのか、
気づいているのに準備できないのか、
残念な人がたくさんいて、がっかりします。
自分に「?(はてな)」があったら、人は絶対集中なんかできませんよね?
「?(はてな)」と思いながら出す音が、人の心を動かすはずもないのです。
ちなみに、準備が悪い人ほど言い訳がうまい。
あの手この手で、自分が準備できなかったことを正当化しようとします。
出音は正直。問答無用。
真剣勝負で集中できなかったら、ザ斬ッ。ごめん!でおしまいなのですぞ。
(オチはちょっと古くなっちゃいましたけどね。)
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