大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

本気なら、「はい」か「Yes!」か「喜んで」!

   

よく語られるビジネスの教えのひとつに、
「顧客からの要望への答えは、”はい” か “Yes!” か “喜んで”の、
3つのうちのひとつしかない。」というのがあります。

この話を初めて聞いた時、「売れている人の言うことは、ビジネスマンでもミュージシャンでも、みんな同じなのだな」と、しみじみ思いました。

「駆け出しの頃、いきなり『ジョン・ウィリアムスみたいなオーケストラのアレンジできる?』って言われて、思わず『できます!』って言っちゃってから、やっべーってレコード屋に走って、慌てて勉強したんだよね」
とは、某CM音楽界の巨匠のお話です。

その他にも、
「来週までに10曲くらい書ける?」と言われて思わず「できます」と言ってしまった人の話や、「明後日からツアーなんだけど、急遽メンバーが体調不良になっちゃって」と言われ、20数曲あるコンサートツアーのトラを引き受けた人の話などなど。
売れているミュージシャンで、無茶ぶりに応えた経験がないという人はひとりもいないといっても過言ではないでしょう。

これを、「才能があるから、なんでもできるんでしょ」なんて、思ってはいけません。
とにかくね、仕事を広げて行く人には、なんでもやってやる、という意気込みがある。
チャンスは「ぼく、チャンスです!」という顔をしてやってきてくれるわけではありません。
どんなご縁の向こう側に転がっているか、本当にわからないんです。

チャンスを探している時期は、
ご縁のある仕事、頼まれた仕事は、なにがなんでも、引き受ける。
そして、引き受けたからには、絶対に結果を出す。
この気合と、日頃の徹底した心と技術の準備を怠らないこと。

引き受けて結果出せなかったらカッコ悪いとか、
今の自分にはキャパオーバーじゃないかとか、
この人と関わって得になるのかな?とか、
そういうブレーキがかかる人は、結局、準備が足りない。

どうもいいご縁がないとか、思う方向に仕事が開けないという人は、
チャンスに恵まれないわけでも、運がないわけでもないんですよね。

効率化とか損得勘定とか人心掌握とかマーケティングとか、
そんなことに心を砕く前に、
自分自身にその仕事とガチで向き合う覚悟があるのか、
チャンスが来たときの準備はできているのか、
そこに心を向けないで、成功はあり得ません。

「無理」や「難しい」や「やめておきます」という答えをする人に、
何度も仕事を依頼するほど、頼んで来る方は暇じゃない。
本気でやりたくないんだと思われても仕方ないのです。
この人じゃダメだと思ったら、準備のできている人、覚悟のある人を探すまで。

どんなに世の中がソフトになっても、
ネット社会になっても、この鉄則は変わりません。

■パワーアップしたメルマガ『声出していこうっ!』。ブログから、さらに1歩進んだお話をしています。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼント。ご購読はこちらから。

■11月1日よりFBの著者ページにて、歌が大好きなあなたのためのスペシャルコンテンツの投稿をスタート。FBに登録していない方もごらんいただけます。いいね!&フォローをお願いします。チェックしてくださいね。

 - The プロフェッショナル, プロへの突破口

  関連記事

「選ばれる基準」

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは、 日本の最高額紙幣に印刷され …

「ライブの時、自分の声が全然聞こえないんですけど・・・」

「MISUMIさ〜ん。ライブの時、自分の声が全然聞こえなくて、 音痴だ、がなって …

「お客さんに甘やかされたらあかんよ」

「MISUMIちゃん、 こういうお客さんに甘やかされたらあかんよ」 京都でバンド …

無限の可能性の中から選び取る、 たった一つの音。

レコーディングなどで自分の声と向き合うと、 声というものの表現の無限の可能性に、 …

「君、あんなもんでいいの?判断基準甘くない?」

「ま、君は、リズム、もうちょっとシビアにがんばった方がいいね」   1 …

バンド・メンバーの選び方と、 そのメリットデメリット

友達と意気投合して、生まれて初めて組んだバンドが、 どかんと売れて、人気もバンド …

「その気」にさせてくださる?

代理店のプロデューサーアシスタントをしていた時代、 ヨーロッパ向けCMのレコーデ …

音楽には、優劣も卑賤も上下も、な〜んにもない!

ものすごく当たり前のことなんだけど、時々、ちゃんと確認しておきたいこと。 &nb …

「あの人、ノド大丈夫かな?」

仕事柄、お芝居やミュージカルなど、さまざまな舞台にお招きいただきます。 レッスン …

本当に大切なことは現場が教えてくれるんだ。

某映画のバンド演奏のシーンの撮影に立ち合ったことがあります。 役回りは、出演者の …