好きで、得意で、何時間でもできることだけをがんばる。
かつては、何でもかんでも自分でやらなくちゃ気がすまない、
とりあえず、まずは自分でやってみる、
という、抱え込み型の性格でした。
ある時期から、得意な人にまかせる、ということができるようになり、
ぐっと気持ちが楽になっただけでなく、
作業効率や、作業精度も上がり
さらに、より、よい結果を出せるようになりました。
今日はそんなお話をしてみたいと思います。
こどもの頃は、自分にはなんだってできるんだと信じていました。
信念さえあれば、何でもできる。
必死にやれば、なんだってできる。
そう呪文のように唱えながら、
ピアノを練習し、
ギターに熱中し、
歌を歌い、
作曲、作詞をして、
やがて、当時、やっとそこそこお手軽な機種が出始めた、
シーケンサーやMTRを手に入れて、宅録をはじめました。
見よう見まねで曲のアレンジをやってみると、
コードなんかなんにもわからなくても、
音源をコピーしたり、自分の頭の中で鳴っている音を取り出したり、
そこそこのことはできる。
ミックスダウンの作業まで、なんだかできる気になる。
それこそが、MTRの魅力。シーケンサーの魅力。
バーチャルにでも、自分自身が全ての楽器を演奏しているという感覚は、
最高でした。
しかし、その後、さまざまなプレイヤー、アレンジャーと出会い、
自分の曲をアレンジしてもらう機会、
歌をレコーディングしてもらう機会が増えるほどに、
自分ですべての作業をしようとすることに違和感を覚えはじめました。
これから表現しようとする音の全体像がしっかり見えている人。
音色、ひとつひとつ、こだわり抜いたサウンドを構築できる人。
イントロを聞いただけで、わくわくするようなアレンジができる人。
斬新なアイディアで曲を見事に作り替えてくれる人。
楽譜を読んだだけで、頭の中で音楽が鳴ってしまう人・・・
素晴らしく才能のある人たちに囲まれ、
自分の才能のなさに凹んだ、というよりは、
これは私がやるべき作業じゃないと、悟ったという感じです。
こんなに、よくわかっていて、
素晴らしいものが、あっという間につくれる人がいるのに、
あたし程度の人間が、必死にがんばるのは違う、と思えたのです。
アレンジが嫌いだったわけではありません。
むしろ、アレンジという作業は、楽しくて、夢が広がって、好きでした。
たとえ独学でも、アレンジを勉強したり、実践したりしたことは、
自分自身のキャリアを構築していく上でも非常に有益でしたから、
時間の無駄だったとも思いません。
しかし、私には、曲や詞を書いたり、歌ったり・・・
もっともっと自分に向いていて、
もっともっと好きで、もっともっと夢中になれることがあるのに、
そうでないことに時間や労力を費やすのはもったいないと、
思えるようになったのです。
そうして才能あるアレンジャーさんたちと一緒に作業をすることで、
曲の仕上がりに広がりや奥行きが出るとともに、
曲作りにも、1人でつくっていたときにはなかったような、
新しいアイディアが、次々と浮かぶようになりました。
同時に、1人でやっていたのでは、絶対に広がらない人脈が、
人と関わっていくことで、どんどん広がっていきました。
自分1人で抱え込んで、効率があがらないまま悶々とするよりも、
さまざまな人の協力を仰いで、よりよい物をつくり、
人をどんどん巻き込んで行くことの方が、圧倒的にいい。
これは、音楽だけの話ではありません。
起業の勉強や準備をしているときも、
著者としての作業を進めている中でも、何度も経験したことです。
苦手なこと、好きになれないことを、
それでもやらなくちゃと気張ってあくせくがんばることはない。
自分が本当に得意で、大好きで、何時間でもできることを、
一所懸命やること。
極めること。
それこそが、一番大事なことだと思うのです。
ブログ、ちょっとだけマイナーチェンジしています。
このブログはパーソナルトレーナーの安藤宏行さんが、
トレーナー支援の目的もあって行っているブログ構築サービスにて、
つくっていただいたもの。(ヘッダデザインはデザイナーのウジトモコさん)
本日、スマホ対策がむにゃむにゃで、外観のテーマがむにゅむにゅで、
という理由で、(むにゃむにゃ部分は適当に埋めてください)
安藤さんが弊社まで出張してくださり、
ちょちょいのちょいでマイナーチェンジしてただきました。
やっぱり、得意な人におまかせする、は正しい!
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