大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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バッファーをとる

   

ビジネス用語として最近よく使われる、「バッファー」ということば。

「緩衝」つまり、「二つの物の間に起こる衝突や衝撃をやわらげること」で、
例えば、スケジュールを組むとき、
事故などで予定が狂うことなどを想定して、
余裕、ゆとりをつくっておくことを、
「バッファーをみる」「バッファーをとる」などと言ったりします。

まぁ、日本語で言えばいいんでしょうが、
個人的には、日本語の「ゆとり」や「余裕」ということばよりも、
「バッファー」と言う方が、
「もしものときに、ダメージを緩和してくれる時間」という
ニュアンスがハッキリ出る気がします。

このバッファーを見られるかどうかが、
仕事のクオリティに大きく影響します。

たとえば、作詞、作曲、アレンジ、執筆などなど、
クリエイターとしての仕事で、締め切りを設定するとき。

スケジュールに余裕があるときならともかく、
クライアントに、「一日でも早く!」とせかされると、

少しでも、有能であると思われたい、
仕事が早いという好印象を与えたい、という欲望にかられ、
「この日まで時間をもらえば、なんとかなる」という日を
締め切りとして約束してしまいがちです。

しかし、予定は未定。
体調が悪くなる。家族が事故に遭う。
機材トラブルが起きる・・・などなど、
何が起こるかわかりません。

さくさく、あっという間につくるはずだったのに、
思いがけないところで煮詰まって、
にっちもさっちも行かなくなるときもあるでしょう。

そうして、
徹夜続きで一睡も出来ずにいまいちな作品を仕上げたり、
ギリギリになってクライアントをやきもきさせたり、
最悪の場合は、締め切りを過ぎてクライアントに迷惑をかけたりする。

それでは、印象は一転、「締め切りを守れないヤツ」という
印象に変わってしまいます。
そこで、大切なのが、はじめから、バッファーを見ておくという発想。

クライアントが設定したい、ギリギリの締め切り。
自分が「これなら、なんとか」と思う、きっちきちの締め切りに、
バッファーをプラスできるように、
仕事を引き受ける前に先方と交渉してしまうのです。

当然、クライアントは難色を示します。
「そこをなんとか!」と言ってくる。
それでも、一踏ん張り、交渉して、バッファーを取れば・・・

○ギリギリに仕上げた作品を、今一度、冷静にジャッジする時間ができる。

○締め切り前に作品が納品でき、クライアントも、チェック時間ができる。

○「もしもの事故」が圧倒的に減り、クライアントの信頼が増す。

締め切りを交渉することで、多少「仕事が遅いんだな」と思われても、
最終的には、絶対的な信頼を得られるのです。

もちろん、どうやっても締め切りが延びないことは多々あります。
それでも、交渉の価値はあるということです。

(当然ですが、「バッファー」を取っていることは、
クライアントには伝えません。
知られてしまうと、結局ギリギリの締め切りを設定されて、
意味のないことになります(^^))

これは、日常の仕事のスケジュールなどにも言えることです。

私自身の話を例に取れば、MTLの個人レッスンは通常90分ですが、
クライアントさんとのスケジュールは2hで押さえています。

待合室がないから、という理由もありますが、
スケジュールをぎちぎちに詰めてしまうことで、
時計と首っ引きでレッスンして、クライアントをせかしたり、
早めにレッスン準備をしたいクライアントさんを待たせたり・・・など、
気を使わせないで済むからです。

私自身も、このバッファーの時間でリフレッシュしたり、
次のレッスンへのパワーをチャージしたり、
さらには、次のクライアントさんとのレッスン経緯を振り返ったりする
時間をつくることができます。

また、レッスンや学校の授業、スタジオやライブなどなどでスケジュールを
ぎっちぎちにしてしまうと、
ひとつひとつの仕事のクオリティは確実に下がります。

バッファーの時間は、勉強をしたり、研究をしたり、練習をしたり。
また、作品をつくったり、メソッドや教材を研究&開発したり、と、
クリエイティブな時間にもなる大切な時間。

仕事をお断りしたり、なかなかレッスンの予約が取れなくて、
ご迷惑をかけることもありますが、
結果的に、仕事のクオリティという面で、還元出来ると思っています。

スケジュールにバッファーを。

大切にしたい習慣です。

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 - The プロフェッショナル

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