大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

パッションこそが推進力

   

「ボーカル、どうしてやりたいの?」
かつて教えていた音楽学校で、こんな質問をしたことがあります。

「やっぱり、うまくなりたいんで。」

「なるほど。じゃ、なんでうまくなりたいの?」

「プロになりたいんです。うまいと言われたいし、
自分でもうまいと思えるようになりたいなと・・・」

 

・・・プロになりたい。うまくなりたい。
だから、一所懸命練習する、毎日レッスンや学校にくる。
とても真面目な考え方で、素晴らしい。

でも、ときに、そうした想いの背景にある、
自分自身の原初的な想いに立ち返ってみたい。

うまくなりたいのも、プロになりたいのも、
手段であり、プロセス。

本当の「理由」や「目的」や「動機」は、
もっと感情的なものではなかったか?

 

 

「ひょ〜〜っ!かっちょいい〜〜っ!」であり、

「この『熱い想い』を、外に出したい!」であり、

「女の子にモテた〜〜い!」であり、

「あんな音出せたら、絶対気持ちいいっ!」であり、

「『俺ってカッコいい!』『私ってイケてる!』と感じたい!」・・・

なのではなかったか?

 

そんな、想いを実現するため、表現するために、
「うまくなりたい」のではなかったか?

 

人を突き動かす衝動、感情の力は実に強烈です。
音楽の勉強を続けていると、
うまくなることや、巧妙な曲を書くことことが
目的のようになってしまって、
自己否定に終始するようになります。

 
自分自身の才能の限界を感じ、時間の限界を感じ、
どんどん苦しくなってしまうときがあります。

 
しかし、音楽への想いはパッション。
わくわく、ドキドキ、どっかぁ〜〜ん、です。

 
そんなパッションを押し殺したり、取り繕ったり、
置き去りにしたりしてはいけない。
 

まして、自分の「好き」を否定してはいけない。

 

パッションの力が一番強烈。
夢を叶えるのは、パッションです。

 

自分の衝動や感情を、もっともっと表に出していいのです。
 

好きな音楽に、ワクワク。
自分自身の可能性に、ドキドキ。
毎日の出会いに、どっかぁ〜ん。

 

煮詰まったときは、好きな曲をたくさん聞いて、
いい気分になって、
そんなパッションを全身で、思いきり感じたい。

 
練習じゃなく、思考でもなく、
パッションこそが、自分を前に進めてくれる推進力だからです。

 

38256485_s

 - 夢を叶える

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「向いてない」んじゃない、「イケてない」んだ。

「お前、無理してそんな歌、歌うなよ。 お前には似合わないぞ。」 「MISUMIち …

「歌をやりたいっ!」ゴール設定とスタートアップのための11の質問

「歌をやりたい」という思いにドカンと胸をつかまれて、真っ先に迷い込むのが、「で? …

「好き」をどこまでも追いかける。

「好き」という感情くらい強烈なエネルギーを持つものはありません。 どんなに疲れて …

毎日が勝負パンツ!?

「勝負パンツ」というインパクトのあることばがあります。 もちろん、言わず知れた、 …

情報か?経験か?

生まれて初めて弾いたギターは、 姉が持っていたクラシックギターでした。 中学入学 …

「伝える力」と「届ける力」

2007年に起業セミナーというものにはじめて参加してから、 出版関係のセミナー、 …

no image
「ライブやりたい!」を叶える『火事場の馬鹿力』

さて、予告通り、「最短でライブを実現するには?」というテーマについて書きます。 …

若さのエネルギーなんて、誰だって持ってるし、誰だって失う。

あれは中学1年の頃。 美術の時間になると、 テストの成績の1位〜3位を、 常に争 …

自分の「本気」が試されるとき

このブログを通して、ポジティブシンカーで、 挫折知らずのような印象を与えているか …

いい歌、うまい歌、好きな歌。

いい歌、うまい歌、好きな歌。 歌にはこの3種類があると、常日頃感じています。 大 …