大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ボイトレにストレッチって、必要ですか?

      2017/10/10

ボイトレをはじめると、必ずと言っていいほどやらされるのがストレッチです。

やれ「股関節を柔らかく」とか、「大腰筋が硬直しているとなんちゃら」とか、
いろいろ説明されるわけですが、
じゃあ、声を出すのにストレッチとか柔軟性ってMUSTレベルで必要なんでしょうか?

はい。答えはもちろん、”NO”です。

ガッチンゴッチンにカラダの硬い人にも美声の人、
歌が強烈にうまい人はもちろんいますし、
ストレッチなんか生まれてこのかたやったこともない人でも、
見事ないい声でスピーチを決めてくれる人もいますよね?

だから、やりたくなかったらやる必要はないし、
カラダが硬いくらいで「歌の才能がないかも」とか、
思っちゃうのも全然違うわけです。

これがおなじみ、MISUMIの「なんでもあり理論」です。

「え?でも、MISUMIさん、めっちゃ毎回ストレッチとかやらせるじゃないですか〜」

はい。そーなんです。
こんなこと言っている私ですが、
私のレッスンでは、ストレッチはもれなくやっていただきます。

理由は以下の5つです。

1.カラダの細部と繋がっている感覚を得ることで、より気持ちよく声が出せる
2.硬直している筋肉をほぐし、リラックスすることで、
カラダの各部分が、それぞれの最大限のパフォーマンスを実現しやすくなる

3.発声も運動と同じで、ウォーミングアップをすることでレッスン効率がアップする

4.自分のカラダの状態やクセを知ることで、結果が早く出る

5.ゆったりとした呼吸とカラダのムーブメントを連動させることで、
よりよい発声のコツやタイミングがつかみやすくなる
つまり、トレーニングの効率や効果を上げ、よりよい結果を、一日も早く出すためには、
「ストレッチしっかりやって、カラダ、柔らかくしておいた方がいいと思いますよ」
ということなのです。

というわけで、みなさんも、やりたくないなら無理にとは申しません。

でもね。やった方がいいと思いますよ〜〜(^^)

 

 - カラダとノドのお話

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

地上で最も完璧な楽器

ピアノ。アコースティックギターやヴァイオリン。 管楽器たち・・・ 歴史ある楽器た …

高い声は、がんばらずに出す。~SInger’s Tips #17~

「高い声は、がんばらないと出ない」と、 思っている人がいます。 なぜそうなっちゃ …

「できないこと」ではなく、 「今できること」に意識を向ける

うまく行かないときに、 うまく行かないところにばかりフォーカスすると、 本来でき …

頭痛がイタい!?

ここ1~2週間、頭痛に悩まされていました。 毎朝、首がぱんぱんに張って目が覚める …

どんな不調も、見て見ぬふりをしない”しつこさ”が勝負!

今日はものすご〜く私事ながら、 声をお仕事にしている方、歌っている方に、 もしか …

平均的な舌って、なに?

誰しも、生まれながらの自分のカラダが、 自分にとってのスタンダード=標準規格です …

「いい音を出すには、ある程度の音量が必要だ!」とかって言いますけどね・・・。

「いい音を出すには、ある程度の音量が必要だ」 ロックギターリストが口をそろえて言 …

緊張に打ち克つ。

多くの人に相談される悩みのひとつに、 「人前に出ると緊張してしまって、声が出なく …

声帯様、ごめんなさい。

“鉄のノド”、MISUMIです。 いや、”鉄 …

「軸の弱さ」をなんとかする。~Singer’s Tips #13~

高い声を出すとき、どうしても上を向いてしまう。 大きな声を出す時は、なぜかクビが …