「ほどよさ」が結構むつかしい
2017/10/10
声は音。音は空気の振動です。
ほどよい空気の振動は人の耳のみならず、全身に心地よさを感じさせてくれるものです。
これが発声を語るときに、しつこいくらい、呼吸、呼吸と言われる理由です。
振動のクオリティーを上げることが、呼吸にこだわる目的なんですね。
ここを忘れちゃうから、お腹をぎゅ〜〜っと締め付けたり、
息をぶは〜〜っとたくさん吐いちゃったり、
一番いい振動を作ってくれなくちゃいけない首回りや顔回りを
ゆがめちゃったり、するわけです。
楽器をやったことがある人でも、こんな大切なことをすっかり忘れています。
ギターの弦をかきむしって、いい音が出るわけない。
音の出口のサウンドホールを狭くしたら振動は外に出ないし、
弦をこするように弾いたら、出る音は不快なだけです。
いい振動を作るためには、
ほどよい力とほどよいスピード。そしてほどよい量の呼吸が不可欠です。
ほどよいってのは、文字通り「ほどよい」ってことで、
がんばることでも、向きになって練習することでもないわけです。
自然にやれることを意識的にやること。
結局、ボイトレなんて、
誰もが自然にできることを思い出すプロセスに過ぎないんですよね。
それが結構、難しいんですけどね。
関連記事
-
-
「人前で歌うのが怖い」?
人前で歌う事に恐れを感じる人が多いのは、なにも日本人だけの話ではありません。 & …
-
-
「ヴォーカリストはまず姿勢!」の本当の意味
「MISUMI先生は、姿勢、姿勢っておっしゃるんですけど、 姿勢をよくする意味っ …
-
-
「自分の声に興味ある人なんかいませんよ」
芸能界や音楽業界の人とばかり関わりあってきたからか、 それとも、私自身がボイスト …
-
-
声は、一生かけて育てるもの
「自分、声が太くなったんちゃう?」 「なんか、倍音増えたなぁ・・・」 先日、京都 …
-
-
気にならない人は、それでいいじゃん。
多くの人が、何かしらのストレスを感じて、初めて自分の「声」の存在に気づきます。 …
-
-
出音=声にこだわるべ〜し!
出た瞬間の「音」が勝負。 いろいろなところで、そう書いてきました。 一流は「音」 …
-
-
鼻呼吸か?口呼吸か?
ボイストレーナーをはじめて間もない頃、 生徒のひとりに、 「私、歌う時に、うまく …
-
-
声のリハビリ
3月からのライブ・ラッシュに向けて、 朝トレをしているわけですが、 ここ半年あま …
-
-
歌を学ぶ人の3つのステージ
私は歌を学ぶ人には、 3つのステージがあると考えています。 ひとつめは楽器として …
-
-
人は「声の高低」でワクワク、感動する。
全っ然、キャラじゃないんで、 あんまり言わないんですが、 こう見えても、 ディズ …
- PREV
- ボイトレにストレッチって、必要ですか?
- NEXT
- 声帯さまってすごいんです