「これって、声の老化じゃないですか?」
クライアントの声のお悩みはさまざまですが、特に多いのが、
「年齢のせいもあると思うんですが…」と前置きがあった上での、
声が低くなった。
高い声が出づらくなった。
声量が落ちた。
声が枯れやすくなった。
声が細くなった….などのご相談。
いわゆる、声の老化問題です。
FACT : 「声の老化」の原因はなんだ?
1. 呼吸力の衰え
呼吸力が落ちれば、声帯様にコンスタントに安定した息を送り込めなくなりますから、
声が弱まったり、不安定になったり、途切れたりしてしまいます。
息が続かない、なんてこともあり得ます。
2.声帯様の筋力の衰え
声帯様の筋力が落ちれば、
声門をしっかり閉じられなくなって、息漏れがしたり、がさついたり、
声量が上がらなくなったり。
さらには、高い声、低い声が出せなくなったりということが起こります。
3.声帯様周辺の組織の衰え
声帯様周辺の組織も、皮膚や粘膜でできていますから、
顔などの皮膚や粘膜と共に衰えます。
乾きやすくなることで、声がカサカサします。
硬くなると、高い声が出づらくなります。枯れやすくもなります。
皺や細かい傷ができれば、声にノイズが乗ります。
粘膜の働きが衰えれば、痰などが切れにくくなり、ガサガサとした派手なノイズが乗ったり、声自体が、途切れてしまったりもします。
To Do 1 : 自分の声の衰えの原因を明確に把握する
ここまで読んで絶望的になった人もいるかもしれません。
しかし、思い出してください。
声は音。音は空気の振動。
声は物理現象です。
物理現象には、原因と結果があるだけ。
物理現象自体は老化しません。
つまり、「声」という音そのものが老化するわけではないんです。
これ、めちゃくちゃ大事です!
まずは、自分の発声器官の衰えの原因を明確に把握することが非常に大切なのです。
- 近年、大きな体重の変化はなかったか?
体重の急激な増減が、発声器官周辺を重たくしたり、むくませたり、痩せさせたりしてしまいます。
適正体重をキープすること。
声帯様まわりの運動機能を衰えさせないために、コンスタントに歌うなどの適度な運動をしていくこと。
2. お肌が急激に衰えていないか?
年齢化粧品に変えたタイミングで、おなじくらい発声器官もかさついたり、
皺が増えたりしています。
しかし、お肌の衰えに、食事療法やマッサージ、サプリが効くように、
発声器官も、栄養、休養、ケアで見違えるように蘇ります。
ノドまわりのマッサージをしたり、ファルセットを出したりなども効きます。
どんどん、活性化させていきましょう。
3. 運動不足ではないか?
発声器官は単独で存在しているわけではありません。
一部と全部は同時に関連し合って存在しています。
全身が運動不足なら、発声器官だって弱っています。
反対に、歌うだけでも、全身運動になり得ます。
筋肉を活性化させると成長ホルモンが出るといいますから、
肉体も、声も、見違えるように、変化するはずです。
4. ドライアイ、ドライマウスなどに悩まされていないか?
全身の水分含有量は、当然ながら、年齢と共に減っていきます。
それによって、目が乾いたり、口が乾いたりします。
マメに水分をカラダに入れるのももちろんですが、食事やサプリなどで、
栄養を補っていくことで、粘膜の状態も、もちろん改善されていきます。
To Do 2:「楽器を持ち替えた」というイメージで新しいカラダに接する
楽器を持ち替えたら、プレイヤーが真っ先にするのは、
新しい楽器の特性や個性を把握すること。
これまで弾いてきた楽器と違うわけですから、当然理想とする音色も変わります。
新しい楽器の最高の音色を探すのです。
その上で、フォームを修正したり、メンテナンスの方法を変えたり、と、
新たな楽器の最大のポテンシャルを引き出す方法を模索します。
声も同じです。
自分のカラダの状態が変わったら…
新しい楽器に持ち替えたという意識で、新たなカラダと向き合う。
出す音色のイメージを変えてみる。
発声のフォームを見直して、ポテンシャルを引き出す。
メンテ方法をくふうする。
そんな努力が功を奏します。
いかがでしたか?
エイジングは、ビンテージ化という変化。
劣化ではありません。
自分という楽器の変化と、楽しくつきあっていきましょう!
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