歌っちゃいけない時。
私のレッスンでは、声出しの真っ最中に、「今日は、もうやめようか」と、レッスンをいきなり切り上げる、「MISUMIストップ」というのがあります。
MISUMIストップを発動するのは、
本人の声がカスカスしている、枯れているなど、声の使いすぎ、または風邪の症状が見られる時。もしくは、本人の体調不良や寝不足が疑われる時。
そんなときは、声を聞いた瞬間に、まず「おや?」となるもの。
明らかに、いつもと声の艶が違う。響きが違う。
カラダに不必要に力が入っていたり、顔色が悪かったりする時もあります。
どうしても、その日仕事で歌わなくちゃいけないとか、近々仕上げなくちゃいけない曲があるとかなら、丁寧にウォーミングUpをして声を立ち上げるお手伝いをしたり、声をつかわなくてもできるようなメロやハマリの確認をしたりもしますが、そうじゃない限りは、「おとなしく家に帰って寝た方がいいよ」と帰し、後日その日の分のレッスンのリスケをします。
こんな時にレッスンをすると、ノドを壊したり、悪い癖をつけたり、かえって体調を悪化させたり。ロクなことがないからです。
なにより、声を聞いているこちらが、大丈夫かな?などと不安になって集中してレッスンできないのです。
実際、強制送還された後、熱が出たとか、寝込んだという人も多々いますし、
耳鼻科に行ったらノドのトラブルが見つかったなどという人もいます。
いきなり中止を宣告されると、具合が悪くてもレッスンに来ようなどという熱心な子ほど、「いや。大丈夫です!やらせてください!」とムキになるのが常です。
体調管理ができてなくて、本当に申し訳ありませんと、平謝りする子もいます。
いいのいいの。
どんなに気をつけてたって調子の悪い時や、疲れがたまってしまうときはあるもの。
レッスンてのは、調子を上げるためにやるものだからね。
無理して調子悪くしてどないすんねん。
こうやってみんな少しずつ、自分のカラダの声が聞けるようになり、体調管理がうまくなっていくものですから。
■「歌いたい!」を「歌える!」に変える、MTLシンガーズLab. いよいよ9月スタート!
■無料メルマガ『声出していこうっ!』。
ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼント。バックナンバーも読めますのでぜひ。ご購読はこちらから。
関連記事
-
-
「中毒」か?「夢中」か?
先日、アルコールやドラッグ、セックスなどの中毒患者のためのリハビリテーション施設 …
-
-
「風邪は引かないことにしています」
長年アニメのディレクターとしてお仕事をしている姉が、 高校生の頃、父の学生時代の …
-
-
体調管理も仕事のうち!
「体調管理も仕事のうち」 ボーカリストやパフォーマーでなくても、仕事を持っている …
-
-
風邪をもらいたくない人の「非情の掟」
何年か前のこと。 海外旅行中にこっぴどく風邪をこじらせて、 副鼻腔炎が半ば慢性化 …
-
-
自分自身であり続けること。 受け取るままに表現すること。
曲や歌詞、文章はもちろん、 トレーニングメソッドも、セミナーなどのアイディアも、 …
-
-
声の変化と向き合う vol.1〜発声は運動、歌うことはスポーツです〜
「年のせいか、高い声が出なくなっちゃって。。。」 「私、最近声が枯れてきちゃった …
-
-
なんの変哲もない日記。
ちょっとまとまった分量の仕事に取りかかっているため、 ブログを極力自粛しようと努 …
-
-
退化か?最適化か?顔筋がなくなる日。
この秋から、新たに、新人グループの育成を担当しています。 高校生から20代前半の …
-
-
「お腹は凹ますのか?突き出すのか?」問題について語ってみた
「歌うときは、おへその下10~15㎝下を少~しずつ凹ませましょう。 このとき、肋 …
-
-
ボイストレーナーなんかいらない自分になる。
『ダイジェスト版MTL voice&vocal オープンレッスン12』が …
- PREV
- コンプレックスは、がんばれない言い訳。
- NEXT
- 「誰に学ぶか?」vs.「誰が学ぶか?」