大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「クリエイトすること」そのものに愛情を持てるか。

      2022/12/24

最近、わけあって、
Youtubeをあれこれサーフィンする機会が増えました。

今さら?なわけですが、
まぁ、誰にでも「適正時期」というのはあるものです。

そうなると、根がオタクなもので、
「コンテンツが面白い!」という見方じゃなく、

なんでこの人は人気があるのかとか、
どこが他と違うのかとか、
初期はどんな風につくってて、
なにが理由でブレイクしたんだろうとか、

Youtuberというわけでもないのに、
ついついクリエイター目線で、
掘り進んでしまいます。

もっとも興味深いのは、
つくり手の試行錯誤の軌跡をたどること。

映像や音声やプロットなどに、
さまざまなくふうがこらされて、
どんどん、洗練されていくのがわかるのです。

コンテンツ・クリエイターとして、
クオリティをあげ、
より届くくふうを重ねていくことで、
人気を獲得していくというのは、
冥利に尽きるでしょう。

そして、人気が出ることで、
ますますコンテンツが洗練されていく。

うーん。どんな世界でも、理想です。


反対に、そういう方向に行っちゃったんだ−、

という人もたくさん見受けられます。

弾き語り映像を真面目にコツコツアップしていたのに、
他の人のYoutube批判や、
ワイドショーみたいなコンテンツばかりになっちゃった人、

「私は●●のプロです!」と言っていたのに、
いきなり自分のブランドから、興味の対象から、
なにもかもをすべてがらりと変えちゃった人、

どかんとブレイクしたことで、
映像のつくりがどんどん雑になった人や、
バッシングの対象になってしまった人、

わざと(?)炎上させちゃっている人、

いわゆるサムネイルやタグのつけ方といった
「Youtube戦略」みたいなので成功している人や、

「とにかくアップの頻度を上げる」という、
なかなかマネのできないことをやっている人、

話題性重視で、
下世話なネタや劣悪な映像を流している人・・・などなど。

数字を取りたくて、
あの手この手をつかうのは、
テレビの時代から同じです。

いつの時代にも、
求める人がいるから、送る人がいる。

Youtubeの数字が伸びていると、
エセ●●も、
なんちゃって▲▲も、
それなりに箔がついて、
すごい人に見えちゃたりする。

メディアが変わっても、
メディアというものの本質は変わらないんだな、と、
なんだか妙に関心します。

しかしね。

どんなコンテンツであれ、
最後に残っていくのは、
「本質的な価値」のあるもの。

つくり手がこだわって、
本気で仕掛けて、
時間をかけて育てていくもの。

愛されているコンテンツクリエイターたちは、
やっぱり、
クリエイトすることそのものに、
こだわりと愛着がある人たちです。

いや、少なくとも私にはそう見えるし、
そうであって欲しい。

「なんつーオタッキーなYoutubeサーフィン・・・」
とあきれられそうですが、
なんでも、勉強です。

 

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