大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

とっさの時の声、出せますか?

      2015/12/20

日頃、衝動的に出そうになる声を押さえつけることが習慣化していると、
とっさの時に声が出にくくなります。

声の瞬発力。

動物にも、こどもにも備わっている、この力は、
理性で衝動を抑えつける訓練を繰り返していくうちに、
だんだんと弱ってきます。

誰でも、赤ん坊の頃は、
お腹が空いた、おむつが濡れた、眠たい、暑い・・・と感じた刹那、
声に出してお母さんに訴えたものです。

14705775_s

 

はじめはおとなたちに叱られながら、出したい声を押さえつけているうちに、
本当に必要な、その時、その瞬間に、声が出せなくなってしまいます。

あやまらなくてはいけない瞬間に、声にならなかった。
伝えなくてはいけない言葉が、言い出せなかった。
話すタイミングを逃した。。。など、
話すべきことばがわかっているのに、声を出せないのは、声の瞬発力の欠如。

出したいその瞬間に発声のフォームが整わなければ、
コミュニケーションも、自己表現も思い通りになりません。

声の瞬発力を取り戻すトレーニングは、実はとってもシンプルです。

満員電車から降りるとき、声に出して「すみません」と言ってみる。
スーパーで「いらっしゃいませ、こんにちは」と声をかけられたら、
「こんにちは」と応えてみる。
レストランで、お店の人に手を振るかわりに、声にだして呼んでみる、
ご近所の人と通りすがりに、「おはようございます」と声に出して挨拶する。。。

などなど、
日頃、声を出さずにやり過ごしている場面で、声を出す習慣をつけること。

トレーニングというには、ばかばかしいほどシンプルなことですが、
こうした積み重ねが、本来の自分の声のポテンシャルを蘇らせ、
磨き上げるきっかけになるのです。

早速明日から試してみてくださいね。

 - 声のはなし

  関連記事

発声の基本のチェックリスト

「役者はセリフを歌え。歌手は歌詞をしゃべれ。」 今日のEbidanに登場したブラ …

歌をはじめる黄金期?

歌をはじめるのに、 早すぎることも、遅すぎることもない。 これは私の持論でありま …

ノドをウィルスから守るためできる10のこと

東京の冬場の平均湿度は40~50% 。 そこまで低い数字と感じないかもしれません …

「自分の音域を知らない」なんて、意味わからないわけです。

プロのヴォーカリストというのに、 「音域はどこからどこまで?」 という質問に答え …

あなたの楽器、いい音出てますか?

楽器は音色がすべて。 ピッチを正確にとか、 リズムをしっかりとか、 ダイナミクス …

誤解だらけの「ロック声」。そのシャウトでは、危険です。

ハスキーで、ひずんだ感じの、 いわゆる「ロック声」には、いろいろな誤解があります …

no image
「自分の声に興味ある人なんかいませんよ」

芸能界や音楽業界の人とばかり関わりあってきたからか、 それとも、私自身がボイスト …

頑固な、間違ったプログラムを解除して、「声」を解放する

カラダの構造や、発声のメカニズムを教えて、左脳からアプローチしても、 カラダに触 …

no image
「ほどよさ」が結構むつかしい

声は音。音は空気の振動です。 ほどよい空気の振動は人の耳のみならず、全身に心地よ …

臨界点を突破する

「どんなに練習しても、高い声が出ない」 「毎日ボイトレしているのに、声量が上がっ …