苦手な「リズム感」や「タイム感」を徹底的に磨く3つのポイント
「リズムが悪い」「タイム感が悪い」と自覚している人や、
「自覚はないけど、人にそう言われる」という人は実にたくさんいます。
実は「リズムが悪い」は、
いつもお話する「ピッチが悪い」のと同じくらい、
聞く人に、気持ちいい、気持ちよくない、という本能的な感覚を
与えるもの。
もちろん音楽は、
ビートやリズムがハッキリしたものばかりではありませんし、
わざとルーズに歌ったり、流れるように歌ったりする方が、
気持ちのいい、素敵に聞こえる音楽もたくさんあります。
しかし、ROCK、ヒップホップ、ポップスなど、
リズムのくっきりした音楽では、
リズムを的確に表現して歌うチカラは必要不可欠。
そうした音楽において、
「今ひとつパッとしない」と言われる理由のほとんどは、
「ピッチが悪い」か「リズムが悪い」、または、その両方です。
では、どうやったら、苦手な「リズム感」や「タイム感」を磨けるのか。
ポイントは3つです。
1. 「ハマリ」を細部に至るまで、徹底的に確認すること
「ハマリ」とは、歌のリズム。
曲全体のリズムの中で、
自分の歌うべき音符がどこに乗っかっているのかを確認するのです。
この「リズムのハマリ」はビートが細かくなるほど、
曲のスピードが速くなるほど、曖昧に、テキトーに、なりがちです。
8割以上の人がこの、歌の「点」を的確に捉えられていません。
たとえば、16分音符でメロや歌詞が詰め込まれている歌は、
原則的に、すべての音節が16ビートの縦のラインに、
ぴたっとハマっている必要があります。
どんなに速いテンポであっても、
ドラマーの刻むハイハットの16ビートがヨレれば、
聞く人は気持ちよくないのと同じことです。
ドラマーと同じビート感を、歌で出すことが要求されるのです。
8ビートなら8分音符単位、
16ビートなら16分音符単位、
3連符、2拍3連、32分音符・・・・
パキッと、点を理解できるまで、徹底的に分析することが、
はじめの1歩です。
2. メトロノームで音符を細かく刻み、点を捉える練習をすること
例えば8ビートのテンポ100の曲なら、テンポを200に、
16ビートなら、テンポを400にすれば、
メトロノームが1小節にそれぞれ8回、16回のビートを刻んでくれるので、
すべての「点」を確認できることになります。
その点にぴたりとハマるよう練習することです。
16ビートの裏が曖昧になってないか?
休符は的確に捉えられているか?
パキンとはめられるまで、
「da da da」などの子音で、徹底的に練習します。
3. 歌えるテンポで練習すること
ものすごく当たり前のことですが・・・
ゆっくりやってもできないことは、速くやったらなおさらできない。
曲のテンポが速すぎて歌えない曲も、
何度も歌っていればなんとなく口が追いついてきて、
歌えたような気持ちになるかもしれません。
しかし、実際、点はバラバラ。
突っ込んでいたり、リズムが曖昧だったりで、
なかなか精度は上がらないものです。
歌えるテンポが自分の適正テンポ。
それがたとえ半分のテンポでも、4分の1でも、
点を捉えられるまで、焦ってテンポを上げてはいけません。
パキンと捉える。
そこから徐々にテンポを上げる。
気が遠くなるかもしれませんが、これしか、近道はありません。
いかがでしょうか?
文章だけだと、なかなか説明が難しいのですが・・・
参考になれば幸いです。
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Comment
リクエストしたタイム感の記事、こんなに早く書いてくださるとは思ってませんでした!
ありがとうございます!
ドラムと同じビート感を出すこと、当たり前なようでまったく頭になかった考えでした。
非常に参考になりました。
しばらくメトロノームと格闘してみます!
>ゆうみさん
お役に立てれば幸いです(^^)