脱・質問マニア〜自分の頭で考える!〜
「私、どんな歌、歌ったらいいですかね?」
「練習すればもっと声って出るようになるんでしょうか?」
「〇〇できるようになる練習ってどうやればいいんですか?」
・・・etc.etc.
延延と質問を繰り返す生徒が、実にたくさんいます。
質問をたくさんすることイコール、
勉強熱心なのだと勘違いしているのでしょうか?
質問とは「わからないところや疑わしい点について問いただすこと」。
頭に浮かんだ疑問を何でもかんでも口に出して、
その答えをすべて他人に求めることは、依存、もしくは怠惰と言います。
自らのアイデンティティを失いかねない、危険なことです。
できないこと、わからないことを、なぜだろうと考える。
自分の頭で考えても答えが見つからなかったら、
いろいろな情報を集めてみる。
集めた情報から自分にとって有益と思われるものをいくつか選び取って、
ひとつずつ、自ら試し、検証してみる。
もちろん、そう簡単に正解に行き渡るわけもなく、
思考、情報収集、選択、検証、さらに疑問、というサイクルは、
なんども巡るわけですが、
そうして行き当たった正解だけが、自分の血となり、肉となるものです。
自分の正解は自分にしか見つけられません。
トレーナーが提供できるのは、
思考のヒント、情報収集のヒント、選択のヒント、
そして、検証のヒント・・・ただヒントを与えることだけです。
答えを選び取っていくことは勇気のいる行為です。
誰だって間違った選択をして、時間や労力を無駄にしたくない。
でも、思考と勇気、そして行動のないところに進歩はあり得ないのです。
疑問が浮かんだら、お手軽に口に出さず、
まずは自分の頭を使ってじっくり考えることからはじめましょう。
頭は帽子かぶるためについているんじゃないんですから。
関連記事
-
-
話す発声と歌う発声?
「話す発声と歌う発声って違うんですよね?」 よく耳にする、不思議な疑問文です。 …
-
-
歌の試験の採点基準って?
学校のようなところで教えていると、試験というものがつきものです。 いわゆる前期試 …
-
-
言霊。声霊。
忘れられないことばというのがあります。 言った本人は、単なる会話の流れで、何の気 …
-
-
「点ではなく面で考える」
最近、心密かに想いを寄せている佐藤オオキさん。 昨年、オオキさんが出演していた …
-
-
うまく行かないときは、自分自身の棚卸しをする
世の中は結構不公平にできています。 必死に必死にがんばっていても、 なかなか認め …
-
-
変声期
昨日は12~16才の男の子ばかり、8名のボイトレを担当しました。 17才くらいか …
-
-
本気でぶつかりあう。
一所懸命やっている子には、一所懸命教えたくなる。 めいっぱいがんばっている子は、 …
-
-
集中を阻むのは「準備の悪さ」
集中力を瞬時に発揮するためには、何らかのスイッチが必要です。 記録を競うスポーツ …
-
-
聴覚 視覚 筋感覚
歌がうまくなりたい、いい声になりたい、と思うなら、 研ぎ澄ましたい感覚が3つあり …
-
-
結果を出すことの意味
音楽の仕事をはじめて、徹底的にたたき込まれたのは、 「この業界、努力賞はないから …
- PREV
- ピッチの悪い歌が致命的な理由
- NEXT
- 日本語の発音とリズム感の関係
