「話すためのボイトレって、何するんですか?」
「話すためのボイトレって、一体何するんですか?」
一般向けのボイトレセミナーや講演会をしていると話すと、
必ずと言っていいほどされる質問です。
就職経験ゼロ、ミュージシャンとして業界を渡り歩いてきた私。
ビジネスマン相手に、一体何を教えているのか・・・?
興味津々な人や懐疑的な人、いろいろでしょう。
ボーカリストにも、一般の方たちにも、
私が繰り返しお伝えしていることはひとつだけです。
「歌うことは話すこと。話すことは歌うこと。」
これだけです。
歌うときも、話すときも、使うのは自分のカラダという楽器。
そして、その使い方も同じです。
歌う時は口で歌うけど、話す時はおへそで話す、なんてわけないんです。
歌うことと同じように、
「話す」にも音程があり、リズムがあり、強弱がある。
音色の表現もあります。
「歌う」は「話す」が進化した形と考えてもいいでしょう。
たとえば、多くのスポーツが日常、
一般の人が行う動作の進化形であるのに似ています。
歩くことが進化して競歩に。泳ぐことが進化して競泳やシンクロに。
スポーツになれば、当然、ひとつひとつの動作の強度もあがる。
テクニックも必要になりますし、競技のルールも覚えなくてはいけない。
そのスポーツを極めようと思えば、それなりにトレーニングも必要ですし、
最後はセンスの勝負にもなるでしょう。
でも、どんなに進化しても、
同じカラダを同じように使ってする動作であることに変わりはありません。
ボーカリストにするボイトレも、ビジネスパーソンにするボイトレも、
だから、基礎は全く一緒なんです。
もちろん、目差すゴールは、人それぞれ、みんな違います。
ボーカリストでも、テクニックをつけたい、声量をアップしたい、というような、
だれもが思い描きそうなゴールに全く興味のない子もいます。
一方、一般の方でも、人前でプレゼンテーションをして、
聞く人みんなを感動させたい。心動かしたい。
という大きな目標を持っている人もいます。
それぞれが、それぞれのゴールに、一日でも早く到達できるように。
少しでもストレスなく、思いや考えが100%表現できるように。
私がサポートしているのは、そういうことなのです。
関連記事
-
-
反面教師という大切な存在
「こんなピッチの悪い歌をわざわざ持ってきて、人に聴いてくださいって言える神経がわ …
-
-
「点ではなく面で考える」
最近、心密かに想いを寄せている佐藤オオキさん。 昨年、オオキさんが出演していた …
-
-
「やる気」を引き出す3つの方法
まれに、「やる気のない生徒にボイトレをする」という、 謎の事態に遭遇することがあ …
-
-
“I know what I’m doing”
「今の、どうでした?できてませんでした?」 そんな質問を繰り返す子に限って、レッ …
-
-
疑問、質問、聞きたい話、ありますか?
脳内にどんどんわき上がってくる、ことばの断捨離の目的で、 ブログを可能な限り毎日 …
-
-
集中を阻むのは「準備の悪さ」
集中力を瞬時に発揮するためには、何らかのスイッチが必要です。 記録を競うスポーツ …
-
-
肉体は変化する
ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …
-
-
自分の耳は自分で磨く
歌えないから聞こえないのか? 聞こえないから歌えないのか? ニワトリと卵のような …
-
-
歌の試験の採点基準って?
学校のようなところで教えていると、試験というものがつきものです。 いわゆる前期試 …
-
-
音楽という「箱」から取り出すもの
ずいぶん昔のことになります。 その奔放かつ、悪魔的とも表されたプレイスタイルに魅 …
- PREV
- めんどくさいけど大事な「呼吸の話」その2
- NEXT
- 「歌う環境」をつくる。