大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「話すためのボイトレって、何するんですか?」

   

「話すためのボイトレって、一体何するんですか?」

一般向けのボイトレセミナーや講演会をしていると話すと、
必ずと言っていいほどされる質問です。

就職経験ゼロ、ミュージシャンとして業界を渡り歩いてきた私。
ビジネスマン相手に、一体何を教えているのか・・・?
興味津々な人や懐疑的な人、いろいろでしょう。

ボーカリストにも、一般の方たちにも、
私が繰り返しお伝えしていることはひとつだけです。

「歌うことは話すこと。話すことは歌うこと。」

これだけです。

歌うときも、話すときも、使うのは自分のカラダという楽器。

そして、その使い方も同じです。
歌う時は口で歌うけど、話す時はおへそで話す、なんてわけないんです。
歌うことと同じように、
「話す」にも音程があり、リズムがあり、強弱がある。
音色の表現もあります。

「歌う」は「話す」が進化した形と考えてもいいでしょう。

たとえば、多くのスポーツが日常、
一般の人が行う動作の進化形であるのに似ています。

歩くことが進化して競歩に。泳ぐことが進化して競泳やシンクロに。
スポーツになれば、当然、ひとつひとつの動作の強度もあがる。
テクニックも必要になりますし、競技のルールも覚えなくてはいけない。
そのスポーツを極めようと思えば、それなりにトレーニングも必要ですし、
最後はセンスの勝負にもなるでしょう。

でも、どんなに進化しても、
同じカラダを同じように使ってする動作であることに変わりはありません。

ボーカリストにするボイトレも、ビジネスパーソンにするボイトレも、
だから、基礎は全く一緒なんです。

もちろん、目差すゴールは、人それぞれ、みんな違います。

ボーカリストでも、テクニックをつけたい、声量をアップしたい、というような、
だれもが思い描きそうなゴールに全く興味のない子もいます。

一方、一般の方でも、人前でプレゼンテーションをして、
聞く人みんなを感動させたい。心動かしたい。
という大きな目標を持っている人もいます。

それぞれが、それぞれのゴールに、一日でも早く到達できるように。
少しでもストレスなく、思いや考えが100%表現できるように。

私がサポートしているのは、そういうことなのです。

 

 

 

 

 

 

 - 未分類

  関連記事

no image
戦いに勝つのは、最後まで立っていたヤツ

人の戦い方はいろいろです。 100メートルを軽やかに駆け抜けて、 真っ先にテープ …

no image
「お前よぉ、いい気になれよ」

かつてツアーのお仕事をした男性タレントのアンディーさん(仮名)が、 打ち上げの席 …

風邪のサインを見逃すな!

以前、『風邪をひいたら歌っちゃだめなんです』 という記事に書いたように、 レッス …

no image
「点ではなく面で考える」

最近、心密かに想いを寄せている佐藤オオキさん。 昨年、オオキさんが出演していた …

音楽という「箱」から取り出すもの

ずいぶん昔のことになります。 その奔放かつ、悪魔的とも表されたプレイスタイルに魅 …

あなたの呼吸、大丈夫ですか?

最近、息切れがする。 話をしてても、途中で、息苦しくなる。 年かなぁ・・・ そん …

no image
発声のためのベスト・バランス

マジカルトレーニングラボの初回カウンセリングでは、 音楽経歴とともに、必ず運動経 …

no image
プロフェッショナルには「覚悟」がある

高校時代から、たくさんの音楽仲間にめぐまれました。 みんな音楽が大好きで、 寝て …

no image
Obsession〜頭にこびりついて離れないもの〜

プロとアマチュアの分岐点はどこにあるんでしょう? 何かが好きで、夢中になることは …

no image
本気でぶつかりあう。

一所懸命やっている子には、一所懸命教えたくなる。 めいっぱいがんばっている子は、 …