めんどくさいけど大事な「呼吸の話」その2
2016/07/10
さて、前回お話しした呼吸の話のつづきです。
今日もマニアックにお届けします(^^)
初めての方は、7月14日の投稿、『めんどくさいけど大事な「呼吸の話」』を先に読んでくださいね。
肺は風船と同じだとお話しました。
当然、上下だけでなく、前後左右にも広がります。
下に広がるときに活躍するのが、前回お話した「横隔膜」。
そして、前後左右に広がるときに活躍するのが、今日ご紹介する「肋間筋」です。
肋骨はカゴのようなもので、がちゃんと固定されていると考えている人、
とても多いのですが・・・さて?
実は、肋骨=あばら骨は、背骨と胸骨にぶら下がっている、バラバラの骨。
この骨の間に、肋間筋という筋肉があって、胸の中のスペースを広げたり、狭めたりします。
(実際には内肋間筋、外肋間筋と2種類あるんですよ。マニアな方。念のため。)
この肋間筋が広がる力が、よく耳にする「声のささえ」をつくってくれるのです。
原理は至ってシンプルです。
横隔膜が上がるとき、肺を下から上にぎゅっと押し上げると、
息はどどっと一気に出てしまいます。
ちょうど風船の出口を絞った部分にあたる、
声帯さまに、思いきり、強い呼気をぶつけることになります。
これでは、声はコントロールできません。
声帯さまに負担もかかる。
息も続かない。
いいことなしデス。
どんなに大きな声、高い声を出すときも、横隔膜を一気に絞り上げるのではなく、
優しく、コントロールしながら上げることはもちろん重要なことなのですが・・・
横隔膜と同じくらい大活躍するのが、肋間筋。
肋骨の間の筋肉が、えいっと踏ん張って、
肋骨を開き、胸を広げようとし続けることで、
呼吸はほどよい圧力、量、スピードを保つことができ、
呼吸のクオリティは黄金になるのです。
まとめです。
歌う時のみならず、いい声を保とうとするときに大切なのは・・・
1下っ腹周辺筋肉を上手につかって、横隔膜の上がるスピードをコントロールすること。2.肋骨をしっかりと開いた状態に保つこと。
この2点は鉄板です。
原理はわかったけど、じゃあ、どうやってやればいいの?
・・・というお話はまた今度!
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