あなたの呼吸、大丈夫ですか?
最近、息切れがする。
話をしてても、途中で、息苦しくなる。
年かなぁ・・・
そんな悩みを持っている方。
体力測定で肺活量を計ったことはありますか?
成人男性の平均肺活量は3000〜4000ml、
女性では2500〜3500mlといわれています。
つまり、平均的な成人男性で、
ペットボトル、およそ2本分の空気を吐き出す能力があるということになります。
しかし、通常の呼吸量は、なんと、500ml程度。
肺のポテンシャルの6分の一から8分の一しか使っていないことになります。
もちろん、他のあらゆるカラダの機能と同じように、
肺活量も加齢と共に衰え、平均1000ml程度も落ちるともいわれています。
呼吸量が落ちれば、息苦しく感じたり、息が上がったりすることもあるでしょう。
冒頭のお話のように、息切れするようになって、
年齢を自覚するという方もめずらしくありません。
しかし、年のせいだとあきらめるのは、ちょっと待ってください。
実は、肺活量が落ちる原因は、呼吸筋の筋力低下と、
姿勢力の低下によるところが大きいのです。
呼吸筋は呼吸をすることでしか鍛えられない筋肉。
使わない筋肉は退化します。
どんなにたくさんの空気を吸える、吐ける能力を持っていても、
毎日500ml分の運動しかしなければ、
当然、呼吸量にみあった筋肉量しか保持されないことになります。
また、肺は横隔膜や、肋間筋による胸腔の運動によって、
呼吸を行います。
姿勢が乱れ、横隔膜や肋骨の動きが阻害されることにより、
可動域がぐんと狭まり、それにともなって、呼吸量も減少します。
若者でも、十分な呼吸ができないこどもがいるのはこのためです。
呼吸力をあげるエクササイズは、実にシンプルです。
姿勢を整え、カラダを緩めて、肺を吸気で満たし、
“Ooh”、または”Ah”と、ほどよい響きのある声を、
一定の音量で、できるだけ長く出し続けます。
この秒数を計り、記録を伸ばしていくだけです。
20才前後の若者でも、10秒も続かない子もいますし、
40代、50代でも、鍛えている人は1分近く続く人もいます。
声の大きさや、音色、高さをいろいろ調節してやってみましょう。
ゲーム感覚で記録に挑戦していくうちに、
自然に、姿勢力や、呼吸力が鍛えられてゆきます。
多くのボーカリストが年をとっても、その若さを保っているのは、
歌うという好意を通して、姿勢や呼吸を鍛えているからなんですね。
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