大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「なぜ創るか」、「何を造るか」と同じくらい、「どう魅せるか」にこだわる

   

名曲といわれる歌は、
それを演じていた歌手たちのイメージやパフォーマンスと共に蘇ります。

歌い手の声、その歌い方、
そして、ルックスやパフォーマンスは、
その作品の一部であるわけです。

 

どんなに素晴らしい楽曲でも、

別の歌手が歌っていたら売れなかったかも知れない。

同じ歌手が歌っていても、違う歌のスタイルで歌っていたら、
違うファッションや、パフォーマンスをしていたら、
やはり、同じような評価を得られたかどうかは疑問です。

 

 

たとえば、

マイケル・ジャクソンが、野太い声に、
マッチョなカラダで、
ロックバンドのヴォーカルのようにシャウトしていたら、
マイケルの名曲は、名曲と呼ばれなかったかもしれない。

 

どんな歌手を思い浮かべても、
その声、歌い方、パフォーマンスは唯一無二であり、
練りに練られ、考え抜かれ、世に送り出されて来たわけです。

 

さて。

 

手軽に曲をつくり、手軽に配信できるようになったこの時代。

 

お手軽に誰でも発信できるということは、
見る方もお手軽にぱぱっと流し見できるということです。

 

そんな中、どうやって目立っていくか、
どうしたら、気にとめてもらえるかを考え抜き、

声の音色や歌い方、パフォーマンスの細部、
時に、映像の細部にまで心を配れている人だけが、
見る人の印象に残ります。

ブレイクして行く人は、
何かしら、こだわりを持って発信している人だけです。

 

数を配信することが、がんばっていることだと勘違いしないようにすること。
なんでもかんでも、人の目に触れればいいというものではないし、

YouTubeでも、ニコ動でも、ブログでも、SNSでも、

どんなに手軽に発信できるからといって、
質の低い情報をやたらめったら社会に発信するのは、いかがなものか。

 

クオリティが低いという印象を一度もたれたら、
人は、自分のチャンネルを見てくれなくなります。

 

こだわりすぎて、発信することが恐くならない程度に、
どう演じるか、どう魅せるか、

こだわっていきたい、大切なポイントです。

 

6662453 - pretty goth girl cowering against wall in a corner

 - プロへの突破口, 夢を叶える

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

「無理」って言うな!

「限界」は自分が設定するもの。   これが、かれこれ、半世紀ほど人間を …

デモをつくれ!

「音楽の世界で認められたいなら、 とにもかくにもデモをつくれ」と、 音楽学校でも …

「これ、誰歌っているの?」と思わず聴いてしまうデモの歌唱とは?

「このデモ、誰が歌ってるの?」   初期のスタジオのお仕事は、すべて、 …

「あと一周」のベルが、まだ聞こえない。

出版に向けラストスパートに入りました。 え?まだスパートかけるの?という街の声が …

「譜面なんか読めなくてもいいっすよね?」

「音楽、やらないんですか?」 一般の方とお話していて、ふとそんな質問をすると、 …

どうせ見えない未来なら、明るい側面だけを期待して生きる。

「MISUMI、そんなことしてて、将来どうするつもりなの?」 思春期の頃から、ア …

「夢喰って生きられないぞ」

大学3年だったか、それとも4年生だったか。 アルバイトをしていた東京タワーのおみ …

とりあえず飛び込め~Singer’s Tips #32~

うまくなったら、バンドやりたい。 いい曲書けたら、音源つくりたい。 自信がついた …

自分らしく歌う。 自分であるために歌う。 ありのままの自分で歌う。

「ちゃんと勉強した人が綺麗な声できちんと歌う」っていう、 従来の音楽的価値観をぶ …

Never Too Late!今しかない!

大好きな英語表現に”Never too late”があります。 直訳すると「〜す …