大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「どうせ私の声は人に届かない、私の歌なんか聴いてもらえない」(ビデオレターのご感想から)

      2022/12/25

ビデオレターにて取り組んでいただいている課題から。

今日もDay1の課題「自分の歌いたいという気持ちと向き合って、今のあなたの気持ちを自由に書き綴ってください。」からご紹介します。

 


 

私は子供の頃から母親に自分の意見を聞き入れてもらえず、自尊心を傷つけられる言葉を浴びせられて育ってきました。

高校生の時に歌手になりたいと思い卒業後音楽の専門学校に入学しましたが、家庭環境の影響もあり性格も暗く人見知りで、歌も音痴で下手だったので「どうせ私の声は人に届かない、私の歌なんか聴いてもらえない」と感じていました。

専門学校卒業後、ワーキングホリデーでカナダ、オーストラリア、ニュージーランドに滞在し、英語力を磨いた後現在は目標だったニューヨークに住んでいます。

現地の演劇学校に2年通った後、1年間の労働ビザが下りてオーディションを今月受ける予定です。

演劇学校での歌のクラスでも現地のオープンマイクでも私の歌は誰にも聴いてもらえないのではないかとずっと思っていましたが、そもそも聞いてもらいたいよりも先に私は100%で歌いたい、届けたいと思っているのかな?ということにみすみさんの今回のビデオレターで気づきました。

きっと自分の「純粋に歌が大好きで歌いたい」にブレーキをかけてたのは自分自身だったんじゃないかな?と思います。

ニューヨークでの初オーディション、緊張しますが歌えることを純粋に楽しみたいと思います。

ありがとうございました。

 


 

遠い昔の、ニューヨーク時代の自分から来た手紙のような感覚で読ませていただきました。

鳥が鳴くのは求愛活動であると言います。

人が歌うのも、
誰かに自分の存在を認めて欲しいから。
自分はここにいるよと。
愛を求めているよと。

こどもの頃から抱えるトラウマを癒すのは、
そう簡単ではありません。

許すとか、受け入れるとか、
自分を愛するとか・・・

私もたくさん、たくさん試しました。

でもね。
やっぱり難しい。

過去の自分はそう簡単に今の自分を手放してくれません。

 

しかしです。

Everything happens for a reason.

自分自身をそこまで連れてきた、
内なる力、エネルギーは
いつか必ず、人生の理由を教えてくれます。

私自身、どん底の精神状態のとき、
いきなり、目の前がぱーっと開けるように、
「私には声がある。声が私をここまで連れてきてくれたのだ。」という、
悟りに似た感覚が芽生えました。

 

歌は力です。

歌いたいと思う気持ちこそがメッセージ。

 

異国の地で、
外国語を話しながら、
挑戦を続けることの難しさは、
痛いほど知っています。

 

一歩ずつ。
噛みしめるように、進んでくださいね。

You are not the only one.

MISUMIからの無料ビデオレターのお申込はこちらから↓
最初の一歩を踏み出せないでいるあなたへ、5日間のメッセージ。

◆4日間でヴォイトレのすべてを学べる、第8期MTL12、10月開講

 - MTL, 夢を叶える

  関連記事

Never Too Late!今しかない!

大好きな英語表現に”Never too late”があります。 直訳すると「〜す …

「今に見ていろこのヤロー」

フリーターで、アマチュアで、 仕事もお金も彼氏もなくて、 地を這うどころか、 地 …

この子、「化ける」かもしれません。

歌が本格的にお仕事になる前、 CMや映画などの音楽プロデューサーのアシスタントを …

「こちとら何年やってると思ってんのよ!」

「こちとら何年やってると思ってんだっ!?」 誰かに自分の専門分野を誉められた時に …

穴を埋めるのか。山を高くしていくのか。

スタジオのお仕事が軌道に乗り始めた頃のこと。 私の歌を気に入ったから、プレゼン用 …

10周年によせて

2008年8月8日、マジカルトレーニングラボ(株)を設立しました。 右も左もわか …

自分が生きてきた時間を過小評価しない。

誰にでも、自分が取るに足らないと感じるときはあるものです。 傍からは、順風満帆に …

『The ワークショップ Show』という挑戦

ヴォイス&ヴォーカルトレーナーとして、著者としての記事はB面、 ヴォーカリスト、 …

「お前さ、営業の電話なんかかけてくるんじゃねーよ!」

ミュージシャンって、自分で自分のこと宣伝するの、 恥ずかしいと思うようなところが …

「プロになりたい」

あれは大学卒業を間近にひかえた頃だったか。 プロということばに、もう、とにかく憧 …