大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

聞いてもらう。

   

「とりあえずデモをつくれ!」というのが、
昨日のメッセージでした。

行動しないことにはなにひとつはじまりません。

ただし、つくっているだけでは、もちろん、ダメです。

聞いてもらう。

このプロセスがないと、
どんなものをつくっても意味はありません。

一方で、この「聞いてもらう」というプロセスで、
あっという間に挫折してしまう人がいるのも事実。

この人こそ!と思う人にデモを送ってみる。
レスがこない。
以上。

・・・こんな話をいっぱい聞きました。

レスがこないのは、
自分の送ったデモがダメだったから、と思ってしまう。
もしくは、所詮、興味なんか持ってもらえないんだと思ってしまう。

どんだけ簡単に心折れるんだろうと、
びっくりするほどです。

 

しかし、ちょっと考えてみてください。

ポストにいきなりDMが送られてくる。
封筒を開けますか?
中身をちゃんと読みますか?
内容が気に入って、問合せをする確率は何%くらいですか?

 

デモをちゃんと聞いてレスをしてくれるのは、

・直接の知り合いである、もしくは知り合いの紹介で、デモを聞く理由がある。
・SNSで話題になっている、めちゃくちゃルックスがいい、親が有名人など、
何かの理由で、デモを送った本人に興味がある。
・まったくアンテナに引っかかってこなかったダークホースを探している。

この3つのどれかです。

そう考えれば、直接の知り合いでもない人に送ったデモに、
レスはないのが当たり前。
しかし、そこで終わるのでは意味はありません。

やるべきことは2つ。

ひとりでも多くの人に聞いてもらう。
どんどんつくって、どんどん送り続ける。

これしかありません。

学校の友だちに聞いてもらえば、
クオリティさえよければ、
学校内で話題になるかも知れません。

先生に渡して、意見をもらうのはマストです。
本当によいものをつくっていれば、
先生の方が興味をしめします。

ちなみに、長年学校で教えていましたが、
直接、「先生、このデモ聞いてください」と、
音源を手渡されたのは、片手で数えられるほどしかありません。
みんな、なにやってんのよ、と思ってしまいます。

数をつくっても反応がこないなら、
つくり方を変える。

アプローチする方向性を変える。

聞いてもらう人をどんどん増やす。

前提は、
「いいものをつくって、
正しい人にアプローチすれば、必ず反応がくる。」
これに尽きます。

ちなみに、
友だち同士で、「いいね〜」といい合ったり、
SNSでちょこっとレスがついたりすることで満足したりしていては、
その先にはいかれません。

自分がどこに向かっていて、何をしたいのか。

ゴールをきっちり見据えて行動しないと、
どこかで身動きが取れなくなるんですよね。

“MTL ヴォイストレーナーズ・メソッド” 〆切間近。
業界トップクラスのメソッドで、圧倒的な結果を出す。ヴォイストレーナーとして活躍されている方はもちろん、ヴォイストレーナーを目指す方、トレーナーという仕事に興味があるという方も。

 - B面Blog, Singer's Tips, プロへの突破口 , , , , , , , ,

  関連記事

サポートミュージシャンを目差す人が取り組むべき、最も大事なトレーニング

一流のアーティストたちと大きなホールをツアーして回る、 いわゆる、サポートミュー …

声の温度。歌の肌触り。音の匂い。

ボタンひとつで音色を自在に変えられる、 いわゆるデジタル・シンセサイザーが登場し …

「所詮同じ人間」という前提に立つ。

誰かにできて、自分にできないことを、 生まれや育ちの違いのせいにしてしまうのは、 …

上達するためのプロセス

高い声を出したい。 もっと正確にピッチやリズムを刻みたい。 速いフレーズを的確に …

寝かしても、修正しても、ダメなアイディアはダメである。

ブログの更新が滞っている時は、 たいがい、Upしようとした記事を途中でボツにして …

自分自身を「スポットライトのど真ん中」に連れて行く。

スポットライトって、すごいなぁと、 ヴォイトレに来るアーティストたちの、 コンサ …

「本番に弱い自分」を払拭する。

さんざんレッスンして、 万全の体制で現場に乗り込んだのに、 「MISUMIさぁ〜 …

群れない

まわりにいる人を見ると、その人のことが分かると言います。 同じような空気感の、 …

他人の作品を「表現する」ということ。

ケン・ソゴルという名前を聞いて、 「おぉ、懐かしい」と思う人は、 どれくらいいる …

「すごい人」と、自分との距離。

どんな分野にも、すごい人というのはいるものです。 すごい人に出会う度に、自分の凡 …