大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

人間関係はいつもちょっぴりだけ片想い💔

   

唯一無二の音楽仲間であり、大親友。
悩み事も、相談ごとも、とにかくなんでもきめ細かにコミュニケーションをとり、
お互いのことはなんでもわかりあっているつもり・・・

 

そんな人の口から、突然、
「私の親友がさぁ、こんなこと言ってたんだけどね・・・」ということばを聞いて、
どきっとした経験があるのは私だけでしょうか?

 

「え?親友?いたんだ・・・。」

 

 

人は自分自身の存在を過大評価する傾向があります。

 

もちろん、自分自身にとっては、
自分という存在は不動の偉大さがあるわけですから、当然なのですが、

ついつい忘れがちなのが、
それは誰にとっても同じであるということ。

つまり、自分が自分のベスト(またはワースト)であるという事実は、
誰にとっても同じだということです。

 

こんな経験はありませんか?

・「こいつしかいない!」と惚れ込んでいたバンドメンバーが、
「就職することにした」「サポートの仕事がきた」などという理由で、
いきなり、バンドをやめると言い出した。

・ライブに足繁く通って来てくれて、ときには差し入れや、
ファンレターまでくれるファンが、
実は自分のライバルのミュージシャンの熱狂的なファンでもあった。

・大切に指導、教育し、食事までごちそうして可愛がってきた部下が、
突然ライバル会社に転職したきり、連絡をよこさなくなった。

 

 

・・etc.etc…..

 

そんなときは、誰もが多少に関わらず、
淋しい思いをしたり、傷ついたりするもの。
相手を「裏切り者」と恨んだり、「薄情者」とののしったり、

「そういえば、あのとき、あいつにこんな風に言われたっけ」
「あいつって、結局、こういうヤツだったわけよ」
などなどと、不快な想いを反芻したり、

さらには、相手が慕う別の相手をこきおろしてしまったり・・・

 

自分でもうんざりするほど、悪感情が長引いてしまうことさえあります。

 

そんなときこそ、胸に手をあてて、
自分がこれまでお世話になった人(特に、忘れているような人)を思い出すチャンスです。

 

これまでお世話になった親戚、恩師、先輩、上司。
共に助け合い、支え合ってきた友人、同級生、バンド仲間。
たとえ一時期でも、人生のすべてと感じた昔の恋人や伴侶。

連絡しなくちゃと思いながら、長いこと年賀状さえ出していない人がいるはずです。

自分の、お互いの、将来のためとはいえ、
なんとなく相手の好意を裏切ってしまった形になった人もいれば、

信頼し合い、大切にし合っていたにもかかわらず、
急にコミュニケーションが苦痛になって、
一方的に連絡を絶った人もいるはずです。

 

人に心を傷つけられたときこそ、

あぁ、自分もこうやってたくさんの人たちを傷つけてきたのだと反省し、

お世話になったのに、恩返しができずにいる、
そして、きっと一生恩返しなどできるわけもない人たちに感謝し、

心ならずも踏み台にしてしまった人たちの心の痛みを想うとき。

 

今さらできることはなにもなかったとしても、
そうやって気持ちを返していくことは、ときに大切なことです。

 

人間関係はいつだってちょっとだけ片想い。

 

傷つけ合うことはコミュニケーションの一部です。
恐れず、おごらず、相手の立場を思いやること。
それが、人を成長させてくれるのですね。

 

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 - Life

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