大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

本気でぶつかりあう。

   

一所懸命やっている子には、一所懸命教えたくなる。
めいっぱいがんばっている子は、めいっぱい助けてあげたくなる。

人間だから、当たり前のこと。

義務や、建て前で教育などという仕事に携わるくらいなら、
カラダがボロボロになるまで、ただ歌って生きる方が、
何百倍も、真心を伝えられる。

だから、義務や建て前でレッスンを受けるのも、
やっぱりやめるべきなんだよね。
そんな時間は無駄。
それなら友達とカラオケでも行っていた方が何百倍も真心で生きられる。

ギリギリの限界に自分を追い込んでいる子と、
そんな風に自分を演出しているだけの子は、一目見ただけですぐわかる。

こちらの「本気」に火をつけてくれるなら、いつだって、全身全霊を捧げよう。

お互いが全身全霊でぶつかりあう濃密な時間と、
とありあえず、それなりにコマ数をこなしていく淡泊な時間。

同じ時間を一緒に過ごすというのに、
その圧倒的なクオリティの差を感じることさえなく通り過ぎていってしまうのは、
あぁ、なんて残念なことなんだろう。

どれだけの濃密な時間を、どれだけの人と共有できるか、ということが、
その人の人間としての価値を高めていくことに他ならないのだから。

・・・なんとなく、若者たちの明日を、憂えてしまった一日でした。

本気で生きようね。Guys!

 - 未分類

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

no image
見せ方のうまい人の共通点

自分をどう見せたいか。どう見せるべきか。 人前に立つときのスタイルは誰もが気にす …

no image
自分のチェック機構を磨け!

「ちゃんと練習したんですけどね・・・」 ちっとも上達していないことを指摘されて、 …

no image
上達のキーワードは「イメージ力」

歌は、誰かに教われば上達するというものではありません。 もし、有能なトレーナーに …

no image
変声期後の、いわゆる「音痴」をなおす方法

さて、昨日は変声期とはどういうものかについて書き、 興味深い資料のリンクをご紹介 …

no image
孤独を怖れず、自分自身と向き合う。

あっという間に4月。 音大の新学期が始まりました。 キラキラと目を輝かせている新 …

no image
自分の耳は自分で磨く

歌えないから聞こえないのか? 聞こえないから歌えないのか? ニワトリと卵のような …

no image
声の印象を変える?

声は人の印象を決める上で、とても大切な役割をしています。 ある研究によれば、人は …

ピッチの悪い歌が致命的な理由

音楽はピッチ(音の高さ)という概念があるから成立するもの。 どんなにリズム感がよ …

本番に強くなるマジックワード!?

「あんなにリハーサルうまく行ったのに・・・」 「どうして本番になると、いつもボロ …

「仕事を舐めれば、仕事に舐められる。」

少し前のこと。 生徒のひとりが、 「先輩にデモの仮歌を頼まれて、 昨日レコーディ …