大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「運」を手に入れる方法

   

「どんなに才能があっても、どんなに努力しても、運がないヤツは成功できない」

そんなことばを聞くたびに、暗澹たる気持ちになる人も少なくないはずです。

何年もがんばってるのに、ちっともいい話がこない自分を尻目に、
後からやってきた、たいして能力があるとも思えない若造が、
ひらりと自分を飛び越えて、喉から手が出るほど欲しいポストを手に入れる。

そのたびに、激怒して、嫉妬して、自己嫌悪に陥って。
「運も実力のうち」というのなら、自分には実力なんてないのかもしれない。
もう諦めた方がいいのかな・・・なんて、ため息をつく。

運を手に入れるために、あらゆることを試す人もいます。

パワースポットをめぐり、占い師に会い、
スピリチュアルに傾倒し、なんちゃらストーンを身につけ・・・

おかげで運が開けた、ツキが回ってきた、という人もいれば、
何をやってもさっぱりだ、という人もいたりします。

本当はどうなのでしょう?
なぜ世の中には、何でもうまく行く人と、
何をやってもイマイチな人がいるのでしょう?

以前読んだ『たまたま』という本に、
「物事が起こる確率は、常に一定である」というような記述がありました。

(少々うろ覚えで申し訳ないのですが・・・)

つまり、ツイテるAさんにいいことが起きる確率も、
ツイテないBさんにいいことが起きる確率も、統計的には同じだというのです。

たとえば、くじ引きで大当たりを引く確率を1%とするなら、
はじめて引いたくじで、いきなり大当たりを引くAさんは、
ただ、「ツイテいるように見える」だけ。

「ツイテないように見える」Bさんも、
しかし、後99回くじを引けば、必ず1度は当たる。
その1度が何回目にくるかの違いだけだ。

ということだそうです。
「な〜んだ、じゃ、1回目に当たりがくるやつは、やっぱりツイテるんじゃん」
と思うかもしれませんが、
この考え方は、「当たりくじはツイテる人にしか出ない」
という悲観的な考え方と大きく違います。

100回引けば、誰でも大当たりが出るなら、
ひたすら、当たりが出るまで引き続ければいいだけだからです。

たいがいの人は、10回も引かないうちに、あきらめます。
30回引いてもダメなら、他のくじ引きを試そうとします。
50回越える頃には、自分には才能がないのだ、と心が折れます。
70回あたりで、もう潮時だ、と悟ります。

ちなみに、当たりが出る前に他のくじ引きに乗り換えれば、
新たに100回の1回目から引き直すことになるわけで、
これでは、一生当たりくじは出ないことになります。

そう考えると、
自分の未来をひたすら信じて、
淡々と、結果が出るまでひとつのことを続けられるかどうかが、
運を開くカギを握っているのかもしれません。

同時に、くじを引く頻度とスピードを上げることもポイントでしょう。

心が折れるのは、体力や情熱が衰えるから。
丁寧に取り組むことは大切だけど、
ぐずぐずしたり、時間をかけすぎたり、躊躇したりするほどに、
1%を手に入れるまでの時間は遠ざかっていくのです。

信じること。続けること。可能な限り急ぐこと。
運を手に入れるには、それしかない。

そして、一日でも、1回でも早く、大当たりが出るように、
・・・祈りましょう(^^))

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