大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「運」を手に入れる方法

   

「どんなに才能があっても、どんなに努力しても、運がないヤツは成功できない」

そんなことばを聞くたびに、暗澹たる気持ちになる人も少なくないはずです。

何年もがんばってるのに、ちっともいい話がこない自分を尻目に、
後からやってきた、たいして能力があるとも思えない若造が、
ひらりと自分を飛び越えて、喉から手が出るほど欲しいポストを手に入れる。

そのたびに、激怒して、嫉妬して、自己嫌悪に陥って。
「運も実力のうち」というのなら、自分には実力なんてないのかもしれない。
もう諦めた方がいいのかな・・・なんて、ため息をつく。

運を手に入れるために、あらゆることを試す人もいます。

パワースポットをめぐり、占い師に会い、
スピリチュアルに傾倒し、なんちゃらストーンを身につけ・・・

おかげで運が開けた、ツキが回ってきた、という人もいれば、
何をやってもさっぱりだ、という人もいたりします。

本当はどうなのでしょう?
なぜ世の中には、何でもうまく行く人と、
何をやってもイマイチな人がいるのでしょう?

以前読んだ『たまたま』という本に、
「物事が起こる確率は、常に一定である」というような記述がありました。

(少々うろ覚えで申し訳ないのですが・・・)

つまり、ツイテるAさんにいいことが起きる確率も、
ツイテないBさんにいいことが起きる確率も、統計的には同じだというのです。

たとえば、くじ引きで大当たりを引く確率を1%とするなら、
はじめて引いたくじで、いきなり大当たりを引くAさんは、
ただ、「ツイテいるように見える」だけ。

「ツイテないように見える」Bさんも、
しかし、後99回くじを引けば、必ず1度は当たる。
その1度が何回目にくるかの違いだけだ。

ということだそうです。
「な〜んだ、じゃ、1回目に当たりがくるやつは、やっぱりツイテるんじゃん」
と思うかもしれませんが、
この考え方は、「当たりくじはツイテる人にしか出ない」
という悲観的な考え方と大きく違います。

100回引けば、誰でも大当たりが出るなら、
ひたすら、当たりが出るまで引き続ければいいだけだからです。

たいがいの人は、10回も引かないうちに、あきらめます。
30回引いてもダメなら、他のくじ引きを試そうとします。
50回越える頃には、自分には才能がないのだ、と心が折れます。
70回あたりで、もう潮時だ、と悟ります。

ちなみに、当たりが出る前に他のくじ引きに乗り換えれば、
新たに100回の1回目から引き直すことになるわけで、
これでは、一生当たりくじは出ないことになります。

そう考えると、
自分の未来をひたすら信じて、
淡々と、結果が出るまでひとつのことを続けられるかどうかが、
運を開くカギを握っているのかもしれません。

同時に、くじを引く頻度とスピードを上げることもポイントでしょう。

心が折れるのは、体力や情熱が衰えるから。
丁寧に取り組むことは大切だけど、
ぐずぐずしたり、時間をかけすぎたり、躊躇したりするほどに、
1%を手に入れるまでの時間は遠ざかっていくのです。

信じること。続けること。可能な限り急ぐこと。
運を手に入れるには、それしかない。

そして、一日でも、1回でも早く、大当たりが出るように、
・・・祈りましょう(^^))

31054479_s

 - 未分類

  関連記事

飲み会で声が枯れちゃう3つの理由

「講演会などでは、いくら話しても声が枯れないのに、 その後の懇親会などで話してい …

no image
「自分の声は変えられますか?」

「自分の声は変えられますか?」 異業種交流会のような場で、 名刺を出して、私の仕 …

no image
本気でぶつかりあう。

一所懸命やっている子には、一所懸命教えたくなる。 めいっぱいがんばっている子は、 …

no image
「これが正しい」は自分で選び取る

アーティストや学生たちと接していると、 「何が正しいのかわからなくなってしまいま …

no image
解剖学の本から『笑筋』が消える日?

うまく笑えない子が増えている。 「にっこり笑って」と言われて、前歯をきらりと見せ …

no image
トレーニングの最大の難関は「はじめる」

どんなトレーニングでも、続ければ必ず結果が出ます。 それがトレーニングの本質とい …

no image
「歌う環境」をつくる。

5年ほど前、某レコード会社のディレクターさんに連れられて、 女性R&Bシ …

no image
「仕事に困らないミュージシャン」の3つの特性

仕事がなくなると、景気だの、時代だのと世の中のせいにしたがるのは、 ミュージシャ …

no image
限りなく「百発百中」を目差す

プロとアマチュアの圧倒的な違いは、 そのパフォーマンスに対する信頼度です。 人間 …

「ミュージシャン」という人生を生きる

先日マーリンズに入団が決まったイチロー選手が、 「現役最年長の野手として 開幕を …