大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

若い頃の努力は金✨

   

「若い頃の努力は金✨」。

若い頃そんな風に言われると、
なんだか強制されている感じがしてイヤだったものですが、
いやはや、ごめん。
やっぱり、金✨✨なんですね。

そんなことを、ここ最近、しみじみ感じるわけです。

 

たとえばです。

私は今でも、ヴォーカリストなら歌詞は覚えるべきだ、が持論なわけですが・・・
 

10代から30代くらいまでにかけては、
どんな複雑な曲も、集中して2回聞けば、3回目は一緒に歌えました。
シンプルな曲なら、歌詞もほとんど覚えました。

そんな風に簡単に覚えた曲だったのに、
その頃覚えた歌詞は、
今もすらすらと、何の努力もなく、
信じられないくらい自然に口から出てくるのです。

複雑な仕掛けがあっても、
難しいフェイクや、微妙な間も、
ちゃんとカラダに入っていて、
おそらくこれは、80才のおばあちゃんになっても、
私の口から出てくる、色あせない財産なのでしょう。
 

完コピにハマったのは、10代から20代前半ですが、
その頃カラダに入った300曲が、
今でも私のヴォーカルのスタイルの基礎になっています。
 
英語の作詞のお仕事をするようになったときも、
最初は、なぜネイティブでも、
めっちゃ勉強したというわけでもないのに、
すらすらと英語の歌詞が口から出てくるのか不思議でした。
 

英語に苦労しなかったのも、ことばの意味や文法が、
リズムやメロディと一緒にカラダに入っているからです。

 

ところが、ね。どうですか。この数年。

いや、まだ年齢をカミングアウトする気はありませんけどね。
 

1曲の歌詞を覚えるのに一体何回私は音源を聞くんだろう。。
自分の書いた歌詞でも、
1番と2番があっちゃこっちゃいっちゃって、
新曲を100%間違えなかったライブなんか、ホントにレアです。
 

エアロスミスやボブ・ディランみたいに、
歌詞がぎっちり詰まっている曲などは、文字通り鬼のように練習しますが、
それでも、なかなか、どうして、どっこいしょです。

もちろん、曲と付き合う時間が長いからこそ、
生まれてくる味わいもあるわけなのですが。
それにして、どっこいしょです。

脳のOSが古すぎる、もしくは、メモリがいっぱいすぎる・・・
icloudでもあればいいんでしょうが、
まぁ、ホントに天国にいくまで、メモリがリフレッシュされることはなさそうです。

 

しか〜し。

ここで、声を大にして言っておくと、

たとえ、年を重ねれば、誰もが苦労するようになったとしても、
いや、なるからこそ、
若かりし頃の努力は金✨✨
 

若い頃貯金した財産がものを言うわけです。
 

若い頃に歌詞を覚える習慣をつけられない人は、
一生歌詞カードに頼り続けることになります。
 

どんなに覚えが悪くなったとはいえ、
一度も勉強したことない広東語やロシア語で歌うのとは分けが違います。

英語という言語自体が、
それほど大きく変化しているのではない以上、
頭の中や「舌」に残っている言い回しというのは、
歌詞が変わっても、繰り返し出てくるものだからです。

 

 

若い頃がんばっておいてよかったと思うことは、
他にもあります。
 

まだ、パソコンということばすら知らない時代に、
マルチトラック・レコーダーや、
シーケンサーの扱い方を学んだこと。

これは当時から私の周囲にいた優れた友人たちが、
さまざまな形で私にたたき込んでくれたことでした。

ちんぷんかんぷんでも、なんでも、
マニュアルを片手にいじくり回していれば、
だんだんと機械は手になじんでくる。

苦手意識をもたずに、
「やりたいこと」にフォーカスして、
必要なことだけに絞り込んで勉強すれば、
道は必ず開けていく。

 

そんな成功イメージがあったおかげで、
自分の中で「可能の発想」が育ったと考えられます。

 

「できない」とか「あきらめる」とか言うことばを学ぶのは、
年を取ってからでも遅くはありません。

 

夏休みもそろそろ終わります。

君たちはこの夏、なにを学びましたか?

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