大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

熱意とか、負けん気とか、激しさとか、悔しさとか。

   

MTL Live2017、大盛況の元に終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

最も嬉しかったのは、
会場に来てくださったみなさんが口々に、
「MTLスピリットに触れた気がする」
「本気で愛を感じた」
とおしゃってくださったこと。
 
MTLスピリットって、どこにも書いていないんですけど、
Liveの端々に、私たちの気持ちが宿っていたと
感じていただけたことは、
パフォーマー冥利、トレーナー冥利に尽きるというものです。
 

“MTL12″は私の妄想からはじまりました。

ヴォイストレーナーとして看板を出したときから、
プロシンガーに特化したヴォイストレーニングを提供してきました。
 
しかし、経験を積み、メソッドが純化するに従って、そもそも、ヴォーカルの練習方法に、プロ向けとか、アマチュア向けとか、そんな線引きはないと、キッパリと気づいたのがきっかけでした。
 
知るべきこと、人から習うべきことは、そんなにたくさんはない。
 
集中して、練習方法をば〜っと学べば、
後は自分で自分に教えればいい。
どのくらい深いところまで掘り進むかは、その人次第なんだ。

 

「自分で自分に教えられる人になる」
これがMTLの根底に流れている考え方です。

だってね、一生先生について習う意味なんてないんですよね。
 
一生ついて習わなくっちゃいけないような教え方では、ダメです。
相互依存なんです。
 

自分の耳を、感性を鍛える。
自分の歌に、自分で的確にフィードバックする。
微調整や修正を加える。
 
どんなことでも、この繰り返しでしか人は上達しないんです。
 
だから、先生がつきっきりで、
うまくなったわね。あら、違うわよ。
なんて言ってくれているのに、甘えちゃいかん。
 
先生も、そうやって、いつまでも生徒さんが来続けてくれるような、
教え方をしていちゃいかん。
 
集中的に、圧倒的に、
自分で自分に教える方法を学ぶ場所。
 
おそらくは地方から来てくれるであろう人たちを想定して、
最短期間、隔週3ヶ月、全6回で、
それをやり遂げるための教材を徹底的に考えました。
 

正直、私の指導はきついだろうなと思います。
 
優しくないです。
 
びしばしです。
 
トラの穴と、思っています。

 

それでも、みんな食らいついてくる。
だから、もっとビシバシやっちゃう。
 
3ヶ月の間、
みんなそれぞれが悩みながら、
いっぱい泣いたり、落ち込んだりしながら、
最後の最後まで歯を食いしばってがんばってくれる。
 
そこには、みんなの歌に対する深い愛があります。
そして、私を、MTLを信じてくれる気持ち。
それも、愛です。
 
そんな愛を感じるほどに、責任の重さを噛みしめました。
 

3期まで終了し、鹿児島、四国、名古屋、大阪、岐阜、などなど、
文字通り全国から受講生が来てくださって、
みなさん、予想もしなかったほどの結果を出してくれました。
 
それぞれが、ひとまわりもふたまわりも成長して、
自信さえ感じさせてくれるようになって。。。
 

当初は一回きりの実験的なスクールになるかな?と思ってはじめたことが、気がつけば、こんなにたくさんの人に来ていただけるようになったことは、驚きでもあり、幸せでもあります。

 

3期が終わった時、
最終プレゼンテーションでみんなの歌を聴いて、
この先、彼らが成長するために私ができることはなんだろうと、
思いを巡らせました。
 
もっと深いところに行きたいと、個人レッスンに移行した方もいます。
Onlineのβ版に取り組んで、もう一度じっくりメソッドを学びたいと考えた人もいます。
 
しかし、しかし、しかし。。。
 
やっぱりヴォーカリストを成長させるのはライブ。
誰がなんと言ってもライブ。
 
人前で歌う。
いろんなことを言われる。
それでもめげずに、ステージに立ち続ける。
私がずっとそうやって生きて来たように、
そうやって自分自身を追い込んで追い込んで、
成長して行くのが一番。

 

とはいえ、50名近くいる修了生ひとりひとりに、
ライブのアドバイスはできません。
 
かといって、誰でも歌える発表会では、どうも生ぬるい。

 
成長するためには、やはり、
熱意とか、負けん気とか、激しさとか、悔しさとか、
そういう、ちょっとギリギリ崖っぷちな気持ちが必要で。

・・・そこで、考えついたのがコンテストでした。
 
Liveに出演したいというメンバーを募り、
コンテスト形式で出演者を決めるという、
まぁ、普通のお教室ではあり得ないトラの穴方式です。
 
ここで、みんなのスキルを一気に上げてもらうには、
コンテストにエントリーするまでの過程も大切と考え、
FBの秘密のグループ内で、
それぞれの歌う動画をがんがんアップしてもらい、
私含むインストラクターズ、そして、参加者全員で、
どんどん思うままにコメントを投げ合ってもらったのです。
 
中には厳しいコメントもありました。
自信をなくして折れそうな仲間への叱咤激励もありました。
 
そうやって、3ヶ月間。
 
FBグループ内は熱いヴァーチャル部活の場になりました。
 
各地方に散らばっている仲間たち、
会ったこともない仲間たちが、FB内で友情を育んだのです。
 
予想以上に大変な盛り上がりになりました。
 
そして、みんな、この3ヶ月間で、
信じられないくらい成長しました。

 

コンテストは、情け容赦なく、全修了生、インストラクターズ、そして、プロミュージシャンや業界関係者などなどに、それぞれ5ポイントずつ持って投票してもらいました。
 
正直、あまりにも熾烈な戦いでした。
発表が近づくほどに、グループ内でもみんなの気持ちの浮き沈みが手に取るようにわかり、
あぁ、なんで、こんな酷いことを考えたんだろうと、
本気で思いました。
 
しかしです。
 
しかしなんです。

 

この厳しさが、みんなを変えました。
 
コンテストで選ばれた人も、選ばれなかった人も、
腐ることなく、次のステージへ自分を押し上げ、
にこやかに、全員Liveに参加してくれたのです。

 

コンテストで選ばれた人たちは、
仲間から勝ち取ったマイクにプレッシャーを感じたことでしょう。

客席で、その仲間を姿を見守りながら、
悔しさと、誇らしさで胸が熱くなった人もいるでしょう。
 
そのすべてが、今回のLiveを最高のカタチにしてくれました。
 
最後はコンテストにエントリーしたみなさん全員が、
一緒にステージにのぼり、
“MTL Choir”と称して、心をひとつにして歌いました。
 
ひとりひとりがソロヴォーカリストです。
パワーが全然違います。

 

会場のお客さんと一緒に、
全員で声を出して歌ったあの瞬間、
場のエネルギーがひとつになって、会場がはち切れんばかりでした。
 
あんなLive、そうそうありません。

 

 

あの場にいられたこと、
ああいう場をつくれたこと、
あんな素敵な人たちに関われたこと。
 
心から幸せでした。
 
MTL 2018に向けて。
 
まだまだ走ります。

 
MTL 12 第4期、まだまだお申し込み受付中です。
今期は思いの外お申し込み人数が少ないので、このまま行くと、かなり密度の高いレッスンになりそうです。ふっふっふ(^^)))
覚悟してくださいね。気になっている方は是非。詳細はこちらから。

 

 - Live! Live! Live!, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

no image
歌の構成要素を分解する〜ラララで歌う〜

大好きな曲を、オリジナルを歌っている歌手と一緒に歌う。 何度も、何度も、繰り返し …

欲しい情報は、ありとあらゆるところにみつかる

「カラーバス効果」ということばをご存じでしょうか?   心理学用語で、 …

英語の歌詞が聞き取れない!?

かつて、日本で発売される洋楽のレコードには、 ジャケットと同じ大きさの、大判の歌 …

「この歌、いいなぁ」には必ず理由がある!

「売れる曲には、必ず理由がある」 あるヒットメーカーが教えてくれたことばです。 …

「君たちには問題意識というものが足りない!」

「君たちには問題意識というものが足りない!」 大学4年の時、ゼミの担当教授が、 …

がんばれないのは「ご褒美設定」がうまく行っていないから。

誰だって、がんばってもがんばっても、なんのご褒美のない、 不毛な努力はできないも …

「習うより慣れろ」vs「慣れるより習え」

「歌なんか習う必要ないでしょ? かえって個性殺されちゃうから、やめた方がいいよ。 …

どうして私はがんばれない?

「なんか、最近、がんばれないんですよ〜。   がんばらなきゃいけないの …

「マスターベーション」とか言うな!

歌は音程のついたことば。 テクニックがどんなにすぐれていても、どんなに巧みな音楽 …

ヴォーカリストこそ、もっと、ちゃんと「聴く」!

バンドのパートの中で、一番コピーしやすくて、 誰でも、そこそこやれるパートってな …