「左脳で感じる」練習法
2016/10/27
「おとなは左脳で感じる」。
私の持論です。
ある程度成長すると、
こどものように、感性や感覚だけでは、なかなか上達しません。
カラダの構造や、メカニズムを理解する。
音楽の構成や、あらゆる要素を取り出して、分析する。
そうやって、まずは頭で理解し、ゴールを設定することで、
聴覚や、筋感覚などが呼び覚まされ、
さまざまなコントロールが可能になります。
練習しても、練習しても、なかなか上達しないというときは、
一度、練習を中止して、思考を働かせることも大切なのです。
たとえば・・・
「今ひとつ、いい声がでない。いい声にならない。」なら、
発声のメカニズムを一から確認してみる。
声は音。音は空気の振動。
こんな当たり前のことに思いを馳せるだけで、
自分の発声の呼吸法が間違っていることに気づけたりします。
「がんばっても高い声が出ない」なら、声帯の構造を研究してみる。
高い声は息むほど出ない。
どんなに高い声を出すときも、大きな声を出すときも、
呼吸の量とスピードは一定。
そんなメカニズムを知ることが、大きなヒントになるでしょう。
「きちんと歌っているつもりなのに、フラットしていると言われる」なら、
歌のすべての音を一音一音、チューニングメーターで確認してみる。
フラットしていると言われて、直せないとしたら、
練習不足なのではなく、聞こえる音と、出す音の誤差を聞き分ける感覚が
未発達だということ。
メーターを使って、目で見て確認しながら、誤差を修正することで、
ピッチはびっくりするほど よくなります。
「歌がイマイチだと言われる」なら、
メロディーやリズムをきっちり分析してみる。
歌のおもしろみがでないのは、
メロディの持つかっこよさや、グルーブを表現できていないから。
まずは、オケを聞いて、ドラムやベースがどんな風に弾いているのか聞いてみる。
メロディーの持つ特徴を分析してみる。
曲の構成上、どんなパフォーマンスがカッコいいのか、研究してみる。
そんな風に頭で聴くだけで、曲はぐっと鮮度があがります。
違いがわかれば、後は、きちんと歌いこなせるように、練習するだけです。
いかがでしょうか?
少し視点を変えるだけで、練習の意味は大きく変わります。
徹底的にやるには、マニアックと言われるくらいでちょうどいい。
今日は簡単に説明しましたが、それぞれの項目についても、
改めて、じっくり書きたいと思います。
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