大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

情報処理のスピードを上げる。

   

遠〜い昔。

小学校時代の親友に、とってもよくお勉強ができる、
某有名私立中学に一発合格した子たちがおりました。

ある日その子たちと一緒に、なにかのノートを書き写していて、
不思議なことに気づきました。

同じ文章を書き写しているのに、
その子たちが、お手本のノートを見る回数は、
私の3分の1くらいなのです。

1文を書き写すのに、何度もその文を確認しながら書いている私に対し、
その子たちは、ぱっと文を見ると、すらすらっと写してしまう。

消しゴムも使わないし、間違いはほとんどありません。

子供心に、さすが秀才といわれる子たちは情報処理スピードが違うと、
感じたものです。

 

情報処理のスピードはインプットされている情報量に比例します。
それらの情報がいかに整理されてた状態で、格納されているかも重要です。

音楽も同じでしょう。

BGMのように、ただ流して聞いているだけでは、
どんなに大量に聞いていたとしても、
情報としてきちんとインプットできているかどうかは疑問です。

生活音レベルの音はなかなかカラダの内部に定着しないものです。

興味を持って聞く。
楽しんで聞く。
それではじめて、インプットされる情報の質と量は向上します。

音楽にのめり込めばのめり込むほど、
それぞれの情報は濃く、しっかりとインプットされることになります。

 

やがてインプットされた山のような情報が、
自分の中で少しずつ整理され、系統立てられていくとともに、
情報処理のスピードは圧倒的に上がっていく。

さらっと聞いただけでも、
さまざまな情報を拾えるようになるのです。

そうなると、上昇のスパイラルです。

 

同じ曲を聴いても、

「元気な曲だね」「ロックだね」「いい歌詞だね」
という何気ない情報しか拾えない人と、

リズムパターンからコード進行の妙、
楽器それぞれの音色や奏法、
作者やアレンジャーの意図、
音色のこだわりやミックスにおける仕掛けなどなど、
どどどと情報が流れ込んで来る人とでは、
自身のアウトプットできる表現や技術に大きな開きが出てきます。

パフォーマンスや作品の精度が高い人は、
情報処理能力が高いのです。

 

もちろん、学習には弊害もあります。

音楽からあらゆる情報が受け取れるようになると、
純粋に音楽を楽しめなくなる時期もあるでしょう。

しかしプロフェッショナルを目差して学ぶなら、
それは通らなくてはならない道。

やがて、自由自在に、
情報処理スイッチのON、OFFが出来るようになり、
純粋に楽しみたいときには思いきり楽しめるようになりますよ。

【メルマガ”ヴォイトレ365″ 配信中】

声と歌について、マニアックな情報を毎日お届けしています。
昨日からは「声の老化」を特集中。バックナンバーも読めます。
ご登録はこちらから。

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

「やる気はあるのにできない症候群」の処方箋

「練習しなくちゃいけないってわかってるでしょ? やらないと、できなかった自分に落 …

頑固な、間違ったプログラムを解除して、「声」を解放する

カラダの構造や、発声のメカニズムを教えて、左脳からアプローチしても、 カラダに触 …

歌の学校やレッスンに通う 5つのメリット

「そもそも、音楽やるのに、 なんで学校なんか行く必要があるわけ? 自分の問題なん …

リズムの「点」に意識を向ける

リズムのある音楽には、必ず「点」がある。 これが、私の解釈です。   …

学習は、頑固で怠惰な自分の脳との戦いだ!

本来外来語であることばを、 そのまま日本語の音に置き換えただけの「カタカナ語」。 …

「ボイストレーナーなんかいらない人」になるための3つのポイント

昨日、『MTL ヴォイス&ヴォーカル オープンレッスン12』初日、 Unit1と …

「あなたのアイドルは誰ですか?」

「あなたのアイドルは誰ですか?」   いえいえ。 今日は、「ルックスが …

ギターの「早弾き」 vs. ボーカルの「高い音」

ボイトレというと、高い音ばかり練習している人がいます。 実際に、スクールなどでも …

no image
「リズム感がない」なんてことばをつかわない!

レッスンの話をもっと書きたいと思っていても、 なんだか、生徒やクライアントさんの …

うまくならない子の思考

「うーん。先週とちっとも変わってないんだけど、練習したの?」 前の週に指摘した間 …