大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

レッスンは『教育テレビ』じゃなくて『ハリウッドムービー』

      2015/12/20

レッスンは、単に知識や技術を教える場ではありません。

声や歌は、その人の人間性や生き方と切り離せないもの。

生徒やクライアントと共に分かち合う時間が、
発見や感動、興奮や教訓で満ちたものとなるように、
日々、工夫や努力を重ねています。

もちろん、受け手の側に立てば、レッスンを通じて、
自分自身がはっきりと見え、現実の厳しさに落ち込んだり、
夢までの道のりに、気が遠くなったりすることもあるでしょう。

しかし、レッスンはそこからがスタートなんです。
レッスンを通じて、どきどきやワクワクを与えたい。
スリルと勇気と感動。ユーモアや笑い。
もちろん、涙も、挫折感もあるかもしれないけど、
節目節目で「やった感」や、「Yes感」を感じて欲しい。

そして、ハリウッドムービーのように、
そう、『ショーシャンクの空に』や『フィールド・オブ・ドリームス』のように、
いつも希望と夢を与え続けられたら最高です。

ときに、教育番組的な知識伝達に偏ってしまったり、
上から目線で、夢を踏みにじるようなことを言ってしまったり、
自分が話したいことを一方的に話してしまったり・・・
そんな自分を日々、反省しながら、
一回一回のレッスンを大切に、
一所懸命やっていきたいな、と思う日曜の夜です。

 

16107185_s

 - ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

知識でも、思考でもない。メソッドは創造するものなんだなぁ。

どんなに知識を詰め込んでも、 あーでもない、こーでもないと考えても、 クリエイテ …

先生たるもの、いつだって「文句あるかい!?」くらい、気合いを入れて立ち向かわなくてはいけません。

世の中の「先生」と呼ばれる人や「学者」と呼ばれる人たちにも、 やっぱりパワーゲー …

プレゼンする人にも、歌い手にも、絶対問いたい10の質問

パワフルでユニークな企業の社長さん、役員さんたちのボイトレおよびプレゼンテーショ …

「無神経」も「曖昧」もダメなんです。

「MISUMIってさぁ、お勉強は出来るけど、頭悪いじゃない? あ・・・ごめんね。 …

表現者には、いつだって、責任がともなうもの

「ブログ読んでます!」 最近、出会う人にそう言っていただくことが、とても多くなり …

no image
話を聞かない生徒 話をさせない先生

「これは、こんな風に歌うのよ」と、 お手本を聴かせるためにこちらが歌い出した瞬間 …

生徒たちとの距離感。

「生徒たちとの距離感」は、人にものを教えるものにとって永遠のテーマとも言えるでし …

「ダメ出し」こそが、プロの技を試される仕事なのだ

他人にダメ出しをする人には、 自分のためにダメ出しをする人と、 相手のためにダメ …

プロを目指す人のためのボイス&ボーカルトレーナーという仕事

プロを目指す人のボイストレーナー、ボーカルトレーナーという仕事は、 山岳ガイドの …

人にものを教えるとは「あきらめないこと」

正直、面倒くさいです。   何度言っても予習してこない。 まともに練習 …