大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

進化し続けられなければ、退化するか、腐敗するかしかない。

   

「『すべてを伝えます』って言うから、講座を受けたのに、その数年後にアドバンストができて、なんだかなーって思った」
かつての受講生のひとりがそんなことをぼやいていると、人づたえに聞いて、あぁ、MTLスピリットがちゃんと伝わっていなかったのねと、大いにがっかりしたことがあります。

すべてのものは変化する。
進化し続けられなければ、退化するか、腐敗するかしか道はない。
だからどんどん挑戦して、自己ベストを塗り替えて行かなくちゃ。

そんな気概でメソッドを創り、伝えています。

弟子たちにも、「学びに終わりはない。いかなる時もフロンティアスピリットを見失わず、自分の信じることにどんどんチャレンジして欲しい」と、さまざまな形で伝えています。

持てるすべてを注ぎ込んで、理想の形を追いかける。
「できた!」と思った次の瞬間、新たな理想が芽ばえ出す。
ビジネスとして、こんな非効率的なことはないわけですが、結局、所詮アーティスト。
そうやって、命が終わる瞬間まで、飽くことなく、自己ベスト更新を目指し続けるのでしょう。
いや、そうあれたら本望です。

変化するのは怖い。
そして、正直、めんどくさい。
人間の脳は、実はめちゃくちゃ怠惰なもので、本人がいらんやる気を出して、蓄えておくべきエネルギーを消費してしまわないよう、全力で、「めんどくさい感覚」を味わわせるらしい。

それでも、そのめんどくささを克服してあまりあるほど、できた時の「やった感」と、それを共に喜んでくれる人たちの笑顔というご褒美が最高すぎて、あたしゃ、やっぱりやめられない。

そんなわけで、進化していく私を、MTLを、オモロイと思って一緒に走ってくれる人、暴走するジェットコースターのようなMTLに興味を持って飛び乗ってくれる人のために、この先も面白いことにいっぱいチャレンジしていきます。

どんな時も、持てるすべてを、全力で伝えます。
そして、その「すべて」を、毎年更新していきます。

理解してくださる人だけ、おつきあいいただけたら幸いです。
はい。

 - The プロフェッショナル, 「歌を教える人」になる, ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

「ライブ直前って、何します?」

「ライブの前って何食べますか?」 「お酒飲みますか?」 「やっぱり結構声って出し …

10回のリハより1回の本番

「10回のリハより1回の本番」 ミュージシャンたちが、異口同音に言うことばです。 …

やっぱ、最後はエネルギー。

歌の指導をしていく中で、 心がけているのが、 感覚的な説明に終始したり、 精神論 …

「リハーサルって何回くらいやるんですか?」

ライブに来てくれる学生たちによく聞かれる質問のひとつに、 「リハーサルって何回く …

最後に「正解」を決めるのは誰だ?

とあるレコーディング現場でのことです。   ブースに入って、ソロプレイ …

お金、時間、労力、そして愛情をかける

楽器の人たちが機材をそろえるのに使っているお金、時間、労力は、 並大抵ではありま …

「欲しい本が見つからなかったら、自分で書け」

「わからないこと、困ったことがあったら本屋に行け。 世の中には、自分と同じことで …

「カッコいいやつ」が「カッコいいやつ」と呼ばれる5つの理由

「なんにもしなくてもカッコいいやつっているんだよ。 こればっかりは、どうしようも …

「5才のこどもにもわかるように説明しろ!」

学生時代、授業のためにと、 さまざまな本を購入するように言われました。 難しい名 …

「オリジナリティ」ってなんなのよ?

「○○って落語家はすごいんだぞ。 一流と言われた落語家をぜんぶ研究して、 みんな …