大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

無価値感になんか負けないっ!

   

20代の終わりの頃、
洋楽コンプレックス、英語コンプレックスを払拭するために、
仕事を全部ほっぽらかして2年ほど、海外で生活しました。
主にNYとトロント。イギリス、アイルランドにも行きました。

留学なんてカッコいいもんじゃなく、放浪に近い。
英語学校に通いながら、オーディション受けたり、
ライブやったり、飲んだくれたり、不法バイトしたり。
騙されたり、強奪されたり、事故られたり、
売り飛ばされそうになったり、逃亡したり・・・

端的に言えば、
まぁ、ろくでもないことを山ほどやっていたわけです。

たいした英語も喋れない、
ノミの糞のような存在の自分だけど、
ちょっとでも認められたい、何かをつかみ取りたい。
そんな思いで必死のぱっちで生きていました。

 

さて。

年末だったか、一時帰国して、
ミュージシャンの知人の家に招かれ、訊ねられるままに、
自分の身に起きたさまざまなできごとや、
自分が置かれていた厳しい状況を話していました。

熱心に話を聞いてくれる友人に囲まれ、
感情が高ぶって、涙まで流していた私。

「だから、ニューヨークが何だっての?」

傍らで、しらけたような顔をして聞いていた知人が、
いきなり、そう言うのです。
関係のない話を延々と聞かされて、面白くなかったのでしょう。

頭から水を浴びせられたような気持ちになりました。

 

ニューヨークが何だっての?
ただ外国に住んでるってことぐらいで、
なに、特別なことしてる気になってんの?

まともなステータスも持っていないくせに。
やってることなんて、フリーター以下。
ただの、ぷー・・・。

自分でもちゃんとわかっていたことを、
目の前に突きつけられた気がして、
居ても立っても居られない思いで帰路に着きました。

しかし、です。

人生に起こることなんて、
他人の目から見たら「だから、何だっての?」の連続です。

とてつもない偉業を成し遂げる人だって、
とんでもなく立派な作品を創り上げる人だって、
「だから、何だっての?」と、
無価値感に苛まれることは、きっとある。

無価値感こそが、自分自身の最大の敵。

こんなことして何になる?
これが、できたところで、何だっての?

そんな無価値感に負けてしまえば、そこでおしまい。
ゲームオーバー。
結局、何にもできない、1歩も前に進めない、
「ただのコイツ」のまま生きるしかない。

今自分ががんばっていることの真の意味は、人生の意図は、
振り返った時にはじめてわかる。

意味づけなんて、後からすればよろしい。

無価値感に、負けてはダメ。
今、やめたらだめ。
そこで、あきらめたらだめ。

傍から見たら無意味なこと、無価値と思えることに、
尽きることない情熱を燃やせる自分に、
その沸き上がってくるエネルギーに、
ただ感心しながら、感謝しながら、全力でやりきるしかないんです。

 

「なんだっての?」を積み重ねるから、
人生はどんどん面白くなる。
人間はどんどん成長できる。

そう、自分に言いきかせて、
今日も無価値感と戦うのです。

負けないぜ。負けるな。

 
◆歌う心とカラダに活を入れる2日間。MTLサマースクール2022
リアルとリモート同時開催。
◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。
ご登録はこちらから。

 - Life, My History, 夢を叶える

  関連記事

接客が嫌いなら客商売はやめたまえ。

「接客が嫌いなのに客商売をやっている」という、 意味不明な人に、時々出会います。 …

才能ってなんだ?

こどもの頃から、カラダをつかって表現したり、 スポーツで才能を発揮したりしている …

感性は「お茶の間」で目覚める

「MISUMI、よく聞いとけよ。歌ってのはこうやって歌うもんだ。 テレビで流れて …

「がんばるのが好き」なんてヤツが世の中にいるのか?

私に関するひどい誤解のひとつに、 「MISUMIはがんばるのが好きだから」という …

自分らしく歌う。 自分であるために歌う。 ありのままの自分で歌う。

「ちゃんと勉強した人が綺麗な声できちんと歌う」っていう、 従来の音楽的価値観をぶ …

「わからない」って最強/生まれて初めてスタジオに入った日

どんなに百戦錬磨なミュージシャンにだって、「生まれて初めてスタジオに入った日」が …

恋するように、バンドする。

棚卸し週間にて、 これまでにやってきたバンドを ひとつひとつ思い出してみました。 …

まずはライブハウスを押さえろ。話はそれからだ。

「いつか、ライブできたらいいなって思って」 レッスンでこんなことばを聞くと、反射 …

地球の裏側まで、掘って掘って掘りまくる。

「チャンスをつかむこと」や「物事が好転すること」をたとえて、 「扉が開く」と言う …

「ウソ」と「おしゃれ」と「身だしなみ」

「俺って正直だから、ごめんね。」と言い訳しながら、 言いたいこと言い放題という人 …