無価値感になんか負けないっ!
20代の終わりの頃、
洋楽コンプレックス、英語コンプレックスを払拭するために、
仕事を全部ほっぽらかして2年ほど、海外で生活しました。
主にNYとトロント。イギリス、アイルランドにも行きました。
留学なんてカッコいいもんじゃなく、放浪に近い。
英語学校に通いながら、オーディション受けたり、
ライブやったり、飲んだくれたり、不法バイトしたり。
騙されたり、強奪されたり、事故られたり、
売り飛ばされそうになったり、逃亡したり・・・
端的に言えば、
まぁ、ろくでもないことを山ほどやっていたわけです。
たいした英語も喋れない、
ノミの糞のような存在の自分だけど、
ちょっとでも認められたい、何かをつかみ取りたい。
そんな思いで必死のぱっちで生きていました。
さて。
年末だったか、一時帰国して、
ミュージシャンの知人の家に招かれ、訊ねられるままに、
自分の身に起きたさまざまなできごとや、
自分が置かれていた厳しい状況を話していました。
熱心に話を聞いてくれる友人に囲まれ、
感情が高ぶって、涙まで流していた私。
「だから、ニューヨークが何だっての?」
傍らで、しらけたような顔をして聞いていた知人が、
いきなり、そう言うのです。
関係のない話を延々と聞かされて、面白くなかったのでしょう。
頭から水を浴びせられたような気持ちになりました。
ニューヨークが何だっての?
ただ外国に住んでるってことぐらいで、
なに、特別なことしてる気になってんの?
まともなステータスも持っていないくせに。
やってることなんて、フリーター以下。
ただの、ぷー・・・。
自分でもちゃんとわかっていたことを、
目の前に突きつけられた気がして、
居ても立っても居られない思いで帰路に着きました。
しかし、です。
人生に起こることなんて、
他人の目から見たら「だから、何だっての?」の連続です。
とてつもない偉業を成し遂げる人だって、
とんでもなく立派な作品を創り上げる人だって、
「だから、何だっての?」と、
無価値感に苛まれることは、きっとある。
無価値感こそが、自分自身の最大の敵。
こんなことして何になる?
これが、できたところで、何だっての?
そんな無価値感に負けてしまえば、そこでおしまい。
ゲームオーバー。
結局、何にもできない、1歩も前に進めない、
「ただのコイツ」のまま生きるしかない。
今自分ががんばっていることの真の意味は、人生の意図は、
振り返った時にはじめてわかる。
意味づけなんて、後からすればよろしい。
無価値感に、負けてはダメ。
今、やめたらだめ。
そこで、あきらめたらだめ。
傍から見たら無意味なこと、無価値と思えることに、
尽きることない情熱を燃やせる自分に、
その沸き上がってくるエネルギーに、
ただ感心しながら、感謝しながら、全力でやりきるしかないんです。
「なんだっての?」を積み重ねるから、
人生はどんどん面白くなる。
人間はどんどん成長できる。
そう、自分に言いきかせて、
今日も無価値感と戦うのです。
負けないぜ。負けるな。
◆歌う心とカラダに活を入れる2日間。MTLサマースクール2022。
リアルとリモート同時開催。
◆公式LINE、はじめました。ご質問やお悩みにもお答えしていきます。
ご登録はこちらから。
関連記事
-
-
年齢を重ねることは「変化」であって「劣化」ではない。
「今さら」、「この年で」、などとということばを聞くたびに、 本当にいらっとします …
-
-
天才には、がんばらないでいただきたい。
どこからどう見ても天才という人が、 やっぱり世の中にはいるものです。 生まれなが …
-
-
「あの頃は不便だったのよ」自慢
兄弟や友人に音楽通がいる人ならともかく、 昭和の時代に、 たったひとりで音楽を学 …
-
-
結果が見えなくても、愚直に続ける勇気
たくさんのミュージシャンやアーティストたちを見て来て、いつも思うこと。 結局、近 …
-
-
言い切ったもんが勝つ。 そして、言い切れるやつは本気でカッコいい。
「自分を信じる力を才能という」 かのジョン・レノンの名言として、 とある雑誌で紹 …
-
-
「打たれ強い人」になる唯一の方法
世の中には先天的に打たれ強い人というのがいるものです。 ガラスのハ …
-
-
クリスマスソング、何曲ちゃんと歌えますか?
Merry Christmas! クリスマスのうきうき感は、 イル …
-
-
「時間」
少し前までは平成生まれと聞くと、 隔世の感があって、がっくりきたものですが、 今 …
-
-
ことばの解釈に「正解はない」
高校時代の大半は、ロックとバンドとギター(そして男の子)に夢中で、 「学校の勉強 …
-
-
「数字」に価値を見出す
先日たまたまYoutuberのヒカキンさんが、 「Youtuberって、要は、他 …
- PREV
- ビブラートのかけ方ぁ〜!?
- NEXT
- 全集中のコツ