大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

朝っぱらからいい声なんて、出せます?

   

「MISUMIさん、CMなんですけど、
明日朝10時にスタジオに来ていただく事って可能ですか?」
「きゃ〜、10時ですかぁ〜。は、はい、がんばります。」
「本当に、早朝から申し訳ありません!!!」・・・。

普通のお仕事をしている人にこんな話をすると、
ミュージシャンってなんてだらしない生活をしているんだろうと思われそうですが、
いやいや、ちょっと待って下さい。

ミュージシャンは夜働くことが多い仕事です。

コンサートやライブは、
ビジネスマンのお仕事が終わる時間からはじまります。
多くのミュージシャンが、そこで最高の力を発揮できるように、
午前中はがんばらず、午後ゆっくりカラダを立ち上げて、
みたいな生活をしています。

演奏直後はアドレナリンが出ていて、すぐには眠れないので、
そこからガス抜きタイムを過ごし、眠りにつくのは朝方、
なんてことも珍しくありません。
当然起きる時間も遅くなります。

これがまだ、マスメディアが世の中に登場する前からの、
ミュージシャンと呼ばれる人たちの生活サイクルの基本です。

一般に、人の運動パフォーマンスのピークは午後2時~6時と言われますから、
そのパフォーマンスピークを4〜5時間後ろにずらすような形で、
生活スタイルをつくり上げていることになります。

だから、いきなり、朝の10時からレコーディング、
つまり、心身が整って、いい声で歌える、
ピーク時に近いコンディションでスタジオ入りして欲しいと言われると、
おっととしりごみしてしまうわけです。

スタジオの仕事に失敗は許されません。
引き受けた以上は、ばっちりな声で、ばっちりに歌わなくちゃいけません。

そんなわけで、試行錯誤を重ねながら、
「これとこれをやれば、朝からばっちり!いい声が出る!」
というルーティンをつくりあげてきました。

さて。

先日、あの、4時おきの池田千恵さんからイベントのお誘いをいただきました。

池田千恵さんのご著書『週末朝活』出版記念として、六本木の文喫さんで、
「ボイトレ朝活はじめの一歩」というタイトルで登壇して欲しいという嬉しきお誘い。

Yes!もちろん、喜んでやらせていただきますよ!

・・・ん?

朝活?
出社前のひととき・・・?

そうなんです。
「10時にスタジオ行って歌った!」とか、胸張ってる場合じゃありません。
朝7時30分に六本木。
パワー全開でボイトレです。

4時寝の私が、4時おきの池田千恵さんのような爽やかな朝の顔を見せられる気はしませんが、
可能な限り爽やかに、気持ちよく、朝の声出ししちゃいましょう!

お近くの方は六本木で、そうでない方は配信で、
ぜひご参加くださいね!

4月26日(水)朝7:30〜8:30
文喫 x アサロク vol.7
『週末朝活』出版記念
朝から声出していこうっ!ボイトレ朝活はじめの一歩
(配信、アーカイブあり)
https://peatix.com/event/3553927/view

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