「できないことをできるように」から「できることをもっと素晴らしく」
先日、ディスカヴァーさんが、メルマガで拙著の紹介をしてくれていました。
「自分も、まわりも、感動するほどうまくなる!」
「これまでになかった「本当に歌がうまくなる」方法」
「歌のうまい人がなぜうまく聴こえるのか、その「理由」が腑に落ちる」
これは、そのまま、執筆に取りかかる前に、編集の方たちと掲げたこの本のコンセプトでもあります。
ヴォイトレの本や教材というと、「できない」を「できる」に変える、つまり、マイナスをゼロに変える系のものがほとんど。
高い声が出ない、大きい声が出ない、呼吸が続かない、音程が取れない、リズムが合わない…etc.etc.
じゃあ、高くて大きい声が出て、音程がちゃんとしていれば、みんな「うまい」のか?というと、あれ?そんなこと、ないですよね?
一般に「へた」と言われる人の歌は、誰が聞いても一聴して、残念な印象があるのに対し、「うまい」と「そうでもない」を聞き分けられる人ってなかなかいない。
「この人、うまいんですか?」「あの人の歌って、どうなんですか?」
そんな質問をしてくる人があとを断ちません。
巷で人気の「歌い方解説動画」で練習を積んで、
ハイテクニックを次々とものにしているはずの人の歌を聴いても、
うーん。。
やっぱり、「この人、うまいんですよね?」となる。
しかし、本当に素晴らしいシンガーの歌を聴いた時、
「うまいのかな?」という疑問は湧かないものです。
いいものはいい。うまいものはいい。
この「うまい」と「そうでもない」の間に横たわる微差を
はっきりと意識できるようになることが、本当の意味での「歌うま」への第一歩です。
新刊では、因数分解よろしく、徹底的に、その微差を、掘り起こして解説しています。
1曲で1微差。
だから101曲になっちゃったんです。
101というと、遠い目になりそうですが、1日1曲ちょいトレすれば3ヶ月あまりで、
1週間に1曲と、丁寧にやれば2年ほどで、「違いのわかる人」になれるように、できています。
もちろん、ちょこちょこ読みかじっても、動画を見かじってもよいのだけど。
まずは手に取って、ぜひ読んでいただきたい。
親バカですが、ほんっっとによくできた、いい本です。
(本に関する熱い語りは、またちょこちょこ書かせてもらいます)

■本気でうまくなりたいと思ったら、迷わず受けて欲しい。
6日間にコミットして、歌に対する自己肯定感を一気にあげてください。
第10期 MTLヴォイス&ヴォーカルトレーニング。11月開講です!
関連記事
-
-
歌がうまくなるための「4つの要素」──練習の精度を上げるヒント
歌がうまくなるには、4つの要素があります。 どれも同じくらい大切で、それぞれ特徴 …
-
-
ことばに「自分の匂い」をしみつける
ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …
-
-
コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する
自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …
-
-
本気でうまくなりたいなら、まず、黙って聴く。~Singer’s Tips #20~
シンガーを志しているという人に、 どんな練習をしているのかと聞くと、 多くの人が …
-
-
集中力ってのは、訓練だ。
「売れてるプロほど、ますます上達する」と言われます。 そもそも売れ始める時点で、 …
-
-
習慣化するための3つのコツとくふう
自主ロックダウンスタート以来、 新しい習慣がいくつかできました。 毎朝のヨガ(3 …
-
-
やっぱ、最後はエネルギー。
歌の指導をしていく中で、 心がけているのが、 感覚的な説明に終始したり、 精神論 …
-
-
「お前、練習してんのか?」
先日、とある忘年会で、大先輩のミュージシャンに、 「MISUMI、ビジネスはいい …
-
-
「なぜだろう?」の先に、進歩がある。
「なぜだろう?」 楽器も歌もパフォーマンスも、いや、おそらく、どん …
-
-
英語の歌詞が聞き取れない!?
かつて、日本で発売される洋楽のレコードには、 ジャケットと同じ大きさの、大判の歌 …

