歌っている自分を直視できない?
歌っているところを動画に撮る。
こんな宿題を出すことが多々あります。
自分を客観視することで、歌っている時には気付けなかったクセや、うまくいかないことの理由に気付くことができるからです。
時には知らなかった自分の魅力に気付けることもあります。
ところがね、「自分の歌っている動画を見る」ということが耐えられない、という人がたっくさんいます。
いや、動画どころか、レッスンで鏡を見ながら歌うのも無理!という人さえいる。
さすがにそれでは、レッスンの効率が上がらないので、「がんばるのよ!」と檄を飛ばすわけですが、それでも、四の五の言う人には、
「ライブやりたいんでしょ?
自分がそんなに見たくないものを、人からお金取って見せるってどうなの?」なんて、厳しいことも言ったりします。
自分を客観的にチェックして、修正、くふうを重ねることで、人は劇的に成長します。
今日レッスンのあった、某会社の社長さんもそう。
先日のレッスンでいい感じに歌が仕上がったので、「録画して送ってください」とお願いしたところ、5本の動画を送ってくれました。
連続で撮られた5本の動画で、どんどん成長していくようすが、手に取るようにわかるのです。
緊張でかっちんこっちん。目線もあちこちに行ってしまった1本目。
目線は合わせられたものの、なかなか声が前に出てこない2本目。
いい声で気持ちを乗せて歌えた3回目は、今度は感情が高ぶりすぎて、声やカラダのコントロールが乱れてしまい…。
4本目でいきなり、すぽんといい声が出て、歌の安定感もフレージングもぐっといい感じに!
5本目はちょっと声が疲れちゃって。でも疲れた分、力が抜けて。。。
こんな風に丁寧に録画して、修正して、くふうを重ねれば、どんどんうまくなることは、間違いありません。
アーティストが有名になって、忙しくなるほどに、どんどん歌もパフォーマンスも磨かれていくのはそのためです。
毎日、毎日、イヤと言うほど、自分の歌、自分のパフォーマンスと向き合います。
さらには、スタッフさんやファンからもいろんなことを言われます。
そのたびに、チェック、修正、改善。
上達の秘訣はこれしかないんです。
どんなことでも、同じですね。
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