大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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完コピ上達法|歌が劇的に変わる5つのチェックポイント

      2025/09/12

歌の完コピ(完全コピー)は、表現力を磨く究極の上達法。
アマチュア時代から一貫して、そう信じ、いろんなところで完コピを熱く語ってきました。

思えば、私のブログが多くの人に読んでもらえるきっかけになったのも、この完コピのお話。
関連動画:上達しないアマチュアに共通のマインド

間もなく10万PVに届こうというほどたくさんの人に読んでもらえたのは、ミュージシャンのみなさんが共感して、お友だちや生徒さんにシェアしてくれたからです。
歌だけでなく、プレイヤーにとっても、完コピは、紛れもなく最強の修行法なのだ!と再確認するきっかけになりました。

MTLの講座でも必ず取り組んでもらう「完コピ」。
好きな曲を1曲ピックUpして1コーラス完コピしてもらい、講座で答え合わせするという、シンプルなレッスンです。

いろんなところで完コピを熱く語っている、「完コピオタク」の私。
思えば、私のブログが多くの人に読んでもらえるきっかけになったのも、この完コピのお話でした。
関連動画:上達しないアマチュアに共通のマインド

間もなく10万PVに届こうというほどたくさんの人に読んでもらえたのは、ミュージシャンのみなさんが共感して、お友だちや生徒さんにシェアしてくれたから。
ただただ好きでやっていたことですが、完コピは、そのくらい、有効な修行法だと再確認するきっかけになりました。

完コピ上達法|5つのチェックポイント

① リズム感・タイム感:点(ハマリ)と線(音の長さ)、アクセントを徹底チェック

曖昧になりがちな音の長さ。
髪の毛1本タイミングが変わっても、締まりのない歌になります。
また、アクセントはスピード感を左右する重要なポイントです。
達人は、無意識に、または意識的に、カチッと音の長さやアクセントを決めてきます。
思わず「うまい!」と感じるのは、こういうポイントなのです。

② メロディ&発音:母音・子音のニュアンスをチェック!

捨て音になりがちな細かい音符。
流して歌いがちな、一見「簡単なメロディ」。
ことばの母音の変化や子音の歌い方。
シンガーが歌に詰め込んだ仕掛けを存分に味わうのが完コピの醍醐味です。
レコーディングで残したテイクに「たまたま」はありません。
アーティストやスタッフの、こだわりの集大成を徹底分析するのです。

③ 音色コントロール:歌い方で声の印象を変える

「声の魅力」と感じている要素の多くが、実は「歌い方」や「ニュアンス」です。
同じピアノを演奏しても、弾き手によって、音色は全然違います。
カラダも楽器。
どんな音色を取り出すかは、演奏家のセンスと演奏能力次第。
自分という楽器の可能性を探るのも、完コピの目的のひとつです。

④ ブレス設計:息づかいが表現をつくる

息づかいには、その人が、自分という楽器をどんな風に捉えているか、リズムをどう感じながら歌っているか、どんな気持ちを込めているか、などなど、さまざまな情報が宿っています。
ブレスにフォーカスすると、アーティストの歌の表現がズドンと腑に落ちる瞬間に出会えます。

⑤ グルーヴ表現:音楽とカラダを一体化する

激しい曲にも、ゆったり穏やかな曲にも…音楽には、グルーブがあります。
グルーブを捉えて、それを的確に表現する。
最終的なパフォーマンスのよさは、ここに集約されます。

音楽の流れに身をまかせる。
動画などをチェックしながら、アーティストのカラダの動きに沿わせて、自分も動いてみる。
完コピの最終地点です。

いかがですか?

優れたアーティストの歌には情報が満載。まさに宝の山です。
楽しみながら攻略して、どんどん表現力を磨きたいものです。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。


◆関連記事:リズムが苦手な人はこちらもぜひチェックしてみてください↓
苦手な「リズム感」や「タイム感」を徹底的に磨く3つのポイント

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 - 完コピ, 歌を極める

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