大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「曲が降ってくる時」?

   

世の中にはたくさんの優れた作品を残しているアーティストがいます。

 

「どうやると、曲って書けるんですか?」
「みんな、メロディってどうやって考えているんですかね?」
そんな素朴な疑問を持つ若者たちに限らず、

「あんないい曲、どんなタイミングで書けるんだろう?」
「天才の書く曲は違うよなぁ」

と、プロでも、常に、曲の神様との出会いを探し求めて、
日々、研究、修行、創作を重ねている人がたくさんいるわけです。

今日は、さまざまなアーティストたちの作品作りのエピソードを、
ご本人から聞いたお話、伝え聞いたお話を交え、
ランダムに書いてみたいと思います。

坂本龍一さんは、
「曲はどんなときに浮かぶんですか?」という質問を受けて、
「締め切りの前日」と答えたそうです。

サザンの桑田さんは、年間アルバムに入れる分の曲しか書かないとか。

一方で、プリンスは全盛期、年間2000曲書いていたと聞いたことがあります。

2000曲は極端ですが、
シンガーソングライターには、「常に曲が頭の中で鳴っている」、
というような子が多く、そんな子たちは、
「作品作りは日記を書くのと同じくらい自然なこと」、と言います。

とはいえ、売れ出してプレッシャーがかかってくると話は別。
「恋の歌を書いてよ」
「もっとテンポのある、明るい曲書いて」
などと、スタッフさんからの要望が出てくるようになると、

「心の動くままに、自由に曲を紡いでいく」というわけにはいかなくなって、
「曲を書くことが一気に苦痛になった」というのもよく聞く話です。

 

ちなみに、曲からできて、歌詞を後から載せるのを曲先(きょくせん)
詞にメロディを乗せるのを詞先(しせん)といいます。

どちらが先、という決まりもありません。
「シンガーソングライターの中には、詞が先にば〜〜っと書けて、
それに曲をつける」というタイプの人もいます。

初期のビートルズは口笛で曲をつくっていた、というような話を聞いたことがあります。

ビートルズくらいになると、都市伝説の部類もありそうですが、

B’Zの松本さんはガチャ録りのラジカセをいつも手元に置いていて、
ふわっと思いつくと、じゃかじゃかとギターを鳴らして鼻歌でメロをつけ、
それを録音するのだ、と言っていました。
こうして鼻歌的に曲をつくるアーティストや作家さんはたくさんいます。

織田哲郎さんも、ギターを弾きながら、適当に歌いながら曲をつくる、
と言っていました。

 

そうかと思うと、
ああでもない、こうでもないとコード進行を模索しながら、
まさに陶芸作家が粘土をこねるような作曲の仕方をする人もいます。

ちなみに作曲家・大槻啓之は(^^)、
「完璧なオケができあがってから、メロディを考える」という手法で、
曲作りをしています。
なんでも、自分がカッコいいと思えるサウンドにならないと、
いいメロディが浮かばないのだとか。

友人であるイギリスのシンガー、Roy Harperは、
毎晩、1〜2行、多くても3〜4行のペースで、
徹底的に詞を練りながら、曲を構築していました。

そんなペースなので、本当に寡作ですが、
やはり詞のクオリティはすばらしく、世界的に評価の高いアーティストです。

一瞬にして曲のインスピレーションがやってくるときもあれば、
何時間も、何日もうなっていても、一向にいいアイディアが思いつかないときもある。

そのくせ、あきらめたときに、ぽんっと天から降ってくるように思いつく。

さだまさしさんが大ヒットした「雨宿り」を書いたのは、
「もう曲が浮かばないからあきらめようと、ふとんに入った瞬間だった」と聞いたことも。

いったい曲の神様はどこにいるんでしょう・・・?

 

そうそう。
ビッグホーンズビーの金子さんは
「曲や歌詞ってさぁ、三つ目のところにくるんだよ」と言っていたっけ。

曲考えているうちに眠っちゃって、夢の中で曲ができて・・
って言ってたのは誰だっけ?

曲作りって・・・とつらつら考えているうちに、
とりとめもないブログになりました。

ま、たまにはこんなのも、いいか。。。

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 - The プロフェッショナル

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