「自分」というジャンルを極める
「らしくあれ」。
女子高生時代、創立者のありがたきおことばとして、
朝礼などで、ことあるごとに使われていたことばです。
高校生は高校生らしく。
女性は女性らしく。
社会人は社会人らしく・・・。
自分の立場や場所柄、役割をわきまえて振る舞えという教えなわけですが、
さて、わからないのは、「○○らしく」の定義。
一体何が「らしく」って、誰がそれを決めるのか?
サポートコーラスとしてツアーを回っていた駆け出しの頃、
相方によく言われたのが、「MISUMIってコーラスらしくない」でした。
彼女に言わせれば、
私は服装も髪型も態度も、ぜんぜんコーラスさんらしくない。
「普通過ぎて、OLみたい」とのことでした。
そうかと思えば、同時期に、本当にOLをやっていた学生時代の友達に会うと、
会うなりみんなに、「でた〜」「派手〜」と言われるくらい、
友人たちは私の雰囲気や服装に違和感を感じていたようす。
おまけに、ロックやR&Bを歌うステージに立っていても、音楽仲間たちに、
「ファッションとか、らしくないよね」というようなことを、よく言われました。
どこにいても居心地が悪い。
どこの社会にいても、なんとなく「らしくない」。
一体私は、何を着て、どんな風に振る舞ったらいいのだろう?
そんなことを、真剣に悩んだものです。
「らしさ」ってなんでしょう?
世間一般の人が思う「らしさ」や、
特定の業界の人たち、ある社会に属している人たちが、
「こうあって欲しい」「こうありたい」と思う「らしさ」を
演じることに、どんな意味があるのでしょう?
それよりも、何よりも、
「自分らしくあること」が最優先課題。
好きなものを着て、
気持ちよく振る舞っていることで、回りから浮いてしまうなら、
それも「自分らしさ」。
どんなジャンルにもぴたりとフィットしないなら、
「自分」というジャンルを極めるしかない。
人の声よりも自分の声に耳をすますこと。
人の好みよりも、自分自身が何を好きなのかを真剣に追いかけること。
それこそが、一番大切な「らしさ」ではないか。
お仕着せの定義にとらわれず、誰もが、自由な発想で、
自分自身の多様性や、無所属感を心から楽しみ、
「自分」というジャンルを極められたら、
日本は、もっともっと個性的で、魅力的で、楽しい社会になる気がしています。
関連記事
-
-
はじめること 続けること やめること
なにかを始める時は直感に従うことにしています。 電気的な啓示、というか、 ビビビ …
-
-
自分自身であり続けること。 受け取るままに表現すること。
曲や歌詞、文章はもちろん、 トレーニングメソッドも、セミナーなどのアイディアも、 …
-
-
「適性がない」とか言うな!
運転免許を取るときに、 適性検査というのを受けました。 言いたかないけど、ずいぶ …
-
-
「あと一周」のベルが、まだ聞こえない。
出版に向けラストスパートに入りました。 え?まだスパートかけるの?という街の声が …
-
-
好きなことをやってると、時間の流れが止まるんだって。
書くことは、趣味なんですよ。 ただ、書くことが好き。 日記でも、ブログでも、曲で …
-
-
キャリアの節目をポジティブに旅する
「節目」というものをポジティブに捕らえるか、ネガティブに捕らえるかで、 人生のク …
-
-
どうして私はがんばれない?
「なんか、最近、がんばれないんですよ〜。 がんばらなきゃいけないの …
-
-
居心地のいい場所では一生学べないことをアウェイは一瞬で教えてくれる
「一般の人向けの本を出版したいんなら、 一般向けセミナーくらいやらなくちゃダメで …
-
-
どのくらい馬鹿をやれるか。
めちゃくちゃ久しぶりに “Trainspottting” …
-
-
もたもた迷っている暇はない!
「もっと歌詞の意味を考えて歌って!」 そんな風に言われたことのある人は、たくさん …
- PREV
- 実力を磨く「三位一体」
- NEXT
- 「上手そうに歌うな」