「戦略とは何をやらないかを決めること」
「戦略とは何をやらないかを決めること」。
ビジネスの世界で、よく言われることばです。
人間の持っている時間はみな平等ですから、
限られた時間という資源を最大限に生かせた人が勝つ。
そのためには、やるべきことを日々にぎゅうぎゅう詰め込むよりも、
「やらないこと」を決めて余計な時間をそぎ落として、
ひとつひとつに集中して行く方が、
成果が上がり、結果が出せる、ということらしい。
私自身、このことばを知って、
日々の仕事を整理できるようになってから、
非常に仕事の精度も効率も上がるようになりました。
さて、では、具体的にどうすればいいのか。
「やらないことを決める」というのは、
ことばで書くほど簡単なことではありません。
日々の中で、
やりたくないし、やらない方がいいに決まっているのに、
なんだか気がついたらいつのまにかやっている、
などという、夢遊病みたいな行動をしている人は、
まぁ、滅多にいないでしょう。
日々やっていることは、たいがいが、
やらなくてはいけないこと、
やろうと決めていること、
ただ、やりたいこと、
ついついやってしまうこと、
やると幸せになること、
・・・のうち、どれかに分類されます。
取捨選択をするのは、
ある意味、勇気と潔さが必要になるものです。
まずは、日々、自分がしていること、
したいと思っていることを徹底的に洗い出してみることです。
日常レベルの、細々とした雑用から、
空想レベルで、自分が叶えよう、叶えたいと思っていることまで。
夢を実現するにはどんな道筋で、
何をしていったらいいかまで、具体的に列挙してみる。
そして、その長いリストに優先順位をつけてみます。
もちろん、誰にでも、
仕事が・・・とか、
課題が・・・とか、
家族が・・・という、、
「いやが上にも優先順位の下位に持ってこられないもの」はあるものですが、
この際、それはちょっと忘れます。
自分が今、本当にやりたいこと。
今こそ、本気で取り組むべきこと。
そして、
やると幸せになること。
「それ以外は、やらないこと」と仮説を立てて、
生活を組み直してみる。
すると、
それまで、やるべきだと考えていたことが、
実はかなりな確率で、単なる自分の思い込みであったと気づいたり、
ついついやっていたことのほとんどが、
たいしてやりたくもないことだとわかったり。
反対に、がまんしていたことや、罪の意識を感じていたことが、
実は自分にとって一番幸福を感じる大切な時間だったと、
知ることができたりします。
優先順位をつけたら、
下位をどんどんそぎ落とし、
上位にいるものにさらに優先順位と締め切りをつけ、
行動するのみです。
優先順位の下の方に「仕事」があるなら、
仕事自体を見直すきっかけになるでしょう。
家族が上位に上がってこないなら、
家族関係をもう一度考えてみる時期かもしれません。
「戦略とは何をやらないかを決めること」。
同時に、自分の価値観を徹底的に見直すことで、
自分という人間と向き合ってみることも大切ですね。
関連記事
-
視点を変えると価値観が変わる〜from USA②〜
ニューヨークに暮らしはじめて、真っ先に感じたのは身体の中に流れ込んでくる街の音。 …
-
「変わってる」って、なんだよ?
自分は何に、どんなことに、反応する体質なのか。 自分のアンテナは何に反応し、どん …
-
「ペンは剣よりも強し」は、死語なのか?
ヴォイトレを担当している若者たちと話していて、 なにが驚くと言って、 物を書く習 …
-
誰に話しても「ウソぉ〜」と言われるOnline映像制作秘話②
まだセミアマぐらいだった頃、 映像系音楽プロデューサーの アシスタントをしていま …
-
とりあえず、「ムカついたら怒る」
音楽のお仕事をしていると、実に数多くの人と接する機会があります。 …
-
起きて見る夢 vs. 寝て見る夢
常日頃、道に迷う若者たちに問いかけていること。 「ぜんぶ可能だったら、なにがした …
-
「できないこと」は「やらないこと」よりも、ずっとずっとマシ
「いつかやりたい」「いつかやろう」と思い続けていること、いくつありますか? &n …
-
ニッポンの女子力!
今日は、Show-Yaがプロデュースする、”Naon No Yaon …
-
「可能」を生きる
「一体いつから、できない理由を先に数えるようになったんだろう。 可能性に胸躍らせ …
-
シンプルでもいい。複雑でもいい。「生きる」を楽しむ。
学生時代、小笠原の父島という島を、 友人たちと共に自転車を担いで訪れたことがあり …
- PREV
- 音ジャンク vs. 音グルメ
- NEXT
- もらったもの