大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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「戦略とは何をやらないかを決めること」

   

「戦略とは何をやらないかを決めること」。

ビジネスの世界で、よく言われることばです。
 

人間の持っている時間はみな平等ですから、
限られた時間という資源を最大限に生かせた人が勝つ。
 
そのためには、やるべきことを日々にぎゅうぎゅう詰め込むよりも、
「やらないこと」を決めて余計な時間をそぎ落として、
ひとつひとつに集中して行く方が、
成果が上がり、結果が出せる、ということらしい。
 

私自身、このことばを知って、
日々の仕事を整理できるようになってから、
非常に仕事の精度も効率も上がるようになりました。

 

さて、では、具体的にどうすればいいのか。
「やらないことを決める」というのは、
ことばで書くほど簡単なことではありません。
 

日々の中で、
やりたくないし、やらない方がいいに決まっているのに、
なんだか気がついたらいつのまにかやっている、
などという、夢遊病みたいな行動をしている人は、
まぁ、滅多にいないでしょう。
 

日々やっていることは、たいがいが、
 

やらなくてはいけないこと、

やろうと決めていること、

ただ、やりたいこと、

ついついやってしまうこと、

やると幸せになること、

・・・のうち、どれかに分類されます。
 

取捨選択をするのは、
ある意味、勇気と潔さが必要になるものです。

 

まずは、日々、自分がしていること、
したいと思っていることを徹底的に洗い出してみることです。

 

日常レベルの、細々とした雑用から、

空想レベルで、自分が叶えよう、叶えたいと思っていることまで。

夢を実現するにはどんな道筋で、
何をしていったらいいかまで、具体的に列挙してみる。

 

そして、その長いリストに優先順位をつけてみます。

 

もちろん、誰にでも、

仕事が・・・とか、
課題が・・・とか、
家族が・・・という、、

「いやが上にも優先順位の下位に持ってこられないもの」はあるものですが、
この際、それはちょっと忘れます。

 

自分が今、本当にやりたいこと。

今こそ、本気で取り組むべきこと。

そして、

やると幸せになること。

 

 

「それ以外は、やらないこと」と仮説を立てて、
生活を組み直してみる。

 

すると、
 
それまで、やるべきだと考えていたことが、
実はかなりな確率で、単なる自分の思い込みであったと気づいたり、
 
ついついやっていたことのほとんどが、
たいしてやりたくもないことだとわかったり。

 

反対に、がまんしていたことや、罪の意識を感じていたことが、
実は自分にとって一番幸福を感じる大切な時間だったと、
知ることができたりします。

 

 

優先順位をつけたら、
下位をどんどんそぎ落とし、

上位にいるものにさらに優先順位と締め切りをつけ、
行動するのみです。

 

優先順位の下の方に「仕事」があるなら、
仕事自体を見直すきっかけになるでしょう。
 

家族が上位に上がってこないなら、
家族関係をもう一度考えてみる時期かもしれません。

 

「戦略とは何をやらないかを決めること」。

 

同時に、自分の価値観を徹底的に見直すことで、
自分という人間と向き合ってみることも大切ですね。

62859584 - man talking with his mirror reflection with his arms folded

 - Life

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