「この辺でちゃんと仕事に就こうかなと思ってるんですけど・・・」
「MISUMIさん、俺、この辺でちゃんと仕事に就こうかなと思ってるんですけど・・・」
どうしてもプロになりたい。
是が非でも認められたい。
練習して練習して、
バンドやって、ライブやって、デモつくって、
練習して、練習して、練習して、
オーディション行って、
いろんな人に聞いてもらって、
玉砕して、ぼろくそ言われて、疲弊して、
練習して、練習して・・・
そんな時間を5年、10年と積み重ねるうちに、
少しずつ、少しずつ認められる人もいれば、
たいした努力をしていた風でもないのに、
びゅんとひとっ飛びに認められ、
あれよあれよという間に一流のプロと肩を並べて、
演奏をするようになる人もいる。
この差は一体何なのか。
それが、遺伝とか、才能とかいう、
持てるものにとっては絶対的な、
持てないものにとっては絶望的なものなのか。
それとも、運とか、運命とかいう、
ふわっとした、制御不能なものなのか。
はたまた、引き寄せ力だの、ウィルパワーだのという、
音楽とは無関係のスピリチュアルなものなのか。。。。
そんなことをあれこれ考えたり、悩んだりしながら、
やれることは何もかもやり尽くし、
もしくはやり尽くしたと感じ、
最早ここまでと、あきらめてしまう人がどれほどいることでしょう。
実際は、音楽のプロを志す人の9割、
いや、おそらくはもっと多くの人たちが、
さまざまな事情で、音楽の道をあきらめ、離れていきます。
さて、冒頭のように、
自分の中では、「音楽を離れるタイミング」と、なんとなく感じているのに、
今ひとつ、最後の踏ん切りがつかない、
どうにもキッパリやめられない、という人が相談に訪れることがあります。
「やっぱ、これ以上、無理かなって・・・」
「生活もありますし、もう充分やったと思うんですよね。」
彼らは別に、引き留めて欲しいわけでも、
もちろん「そうね。無理だから、やめた方がいいね。」などということを
言われたいわけでもありません。
自分の決意を表明したい。
そして一押し、背中を押されたい。
新たな挑戦にエールを送られたい。
そんな気持ちでしょう。
どんなときも、「自分の心が感じることが正しい」が私の持論です。
「期待してくれてた人をがっかりさせてしまう」
「やめるなんてかっこ悪い」
「もしかして、もうちょっとがんばれば、いいことあるんじゃないか?」
そんな、迷いのような気持ちが訪れては消え、
「もうちょっとがんばってみよう」
「もう一日続けよう」
そう思えるときは、まだタイミングは先でしょう。
迷うときは、頭で考えています。
そんなときに動いても、まだ先には進めません。
心がタイミングを教えてくれるとき。
「あきらめるときかも」と、すぅっと気持ちが離れるとき。
自然にさまざまな縁が切れていくとき。
そんなタイミングが来れば、
それがきっと、「その時」なのでしょう。
無理に「サイン」を探す必要はありません。
そんなタイミングが一生訪れない人もいます。
一度、離れても、また「神の啓示」や、「運命」で
再び戻ってくる人もいる。
自分が正しいと感じることが正しい。
それだけです。
関連記事
-
-
大きな変化は一瞬で起こる
変化はいきなりやってくる。 長年人間をやってきた実感です。 毎日が …
-
-
かっこ悪いけど・・・「ギックリ腰」
さて、連日、いい感じでカッコよくLondonの街を闊歩している(かのように見せか …
-
-
ネガティブ・スパイラルを抜け出す。
私たちが日常的に心の中で繰り返していることばが、 自らのセルフイメージをつくり、 …
-
-
「ミュージシャンズ・ミュージシャンなんか嫌じゃい!」
「ミュージシャンズ・ミュージシャン」ということばを聴いたことがあるでしょうか? …
-
-
時間は前にしか進めない。
昨日、ロンドンへ向かうの飛行機の中でのこと。 周囲の人が何度も自撮りをしたり、 …
-
-
「今日はノドの調子が悪くて・・・」
誰にだってのどの調子の悪いときというのはあります。 どんなに気をつけていても、あ …
-
-
前途洋々な若者に思わずアドバイスしてしまう5つのこと
時間は年齢とともに加速する。 噂には聞いていたけど、 そして、20 …
-
-
想像力は人の痛みを知るためにある。
2002年、 ふらっと訪れた旧友たちの住むニューヨーク。 以前住んでいたアパート …
-
-
1度きり、しかも1曲だけしかチャンスをもらえないとしたら?
「ちょっと歌ってみて」 長年自分の歌を認めて欲しいと思っていた人に …
-
-
好きなことをやってると、時間の流れが止まるんだって。
書くことは、趣味なんですよ。 ただ、書くことが好き。 日記でも、ブログでも、曲で …

