とりあえず、「ムカついたら怒る」
音楽のお仕事をしていると、実に数多くの人と接する機会があります。
決まったバンド以外では活動しないというミュージシャンはともかく、
職業ミュージシャンとしてさまざまな現場に関わる場合は、
その都度メンバーが違うのが普通です。
特に、コンサート、テレビなどのメディア、レコーディングなどのお仕事をしていれば、
「はじめまして」の人と顔を合わせることは日常茶飯事。
さらに、ミュージシャン以外の人たちとの関わりもあります。
レコーディングのお仕事の場合なら、
エンジニア、アシスタント、スタジオのスタッフ、
プロデューサー、ディレクター、アレンジャーなどの制作サイド、
事務所関係、仕事によってはクライアントや映像関係のスタッフが同席する場合もあります。
ライブなら、ライブハウスのオーナーや店長、スタッフ、
ミュージシャンサイドのスタッフもいます。
そして、もちろん、お客さんもいます。
規模の大きいコンサートともなると、
当然ながら関係者の人数は大きくふくれあがります。
楽器回りのスタッフ、音響スタッフ、照明スタッフ、舞台スタッフ、
衣装、ヘアメイク、イベンター、マネージメントスタッフ・・・
お客さんの数も千人単位、ドームクラスになれば、数万人。。。
1年間に一体何人の人と「はじめて」と顔を合わせるのか。
売れっ子ともなれば実に恐ろしいほどの数になることでしょう。
さて、今日の本題。
人には相性というものがありますね。
「こいつ嫌いっ!」「うわぁ〜〜、この人無理っ!」
という人はどんな世の中にも、
そして、(おそらくは)どんな人にもいるもの。
出会う人の中に、「苦手な人」「嫌いな人」がいる確率は、
それぞれ個人差があるでしょうが、
その平均値が一定、例えば1割と仮定すれば、
出会う人の全体の数が多いほど、
当然ながら「イヤな人」に会う回数も増えることになります。
一定の割合で「イヤな人」と出会い続けるのに、
いちいち傷ついたり、腹を立てたり、苛立ったりしていたのでは身が持ちません。
わかっちゃいるけど。
あぁ、それでも。
そんな「嫌いな人」「苦手な人」に心乱され、
なかなか立ち直れなかったり、
イヤな気分を反芻してしまったりすることは、
特に感受性の強い、デリケートなミュージシャンにとって、ありがちなことです。
さて、そんなとき、どうするか。。。
今日は、そんなときに一番効果のあった気分をすっきりさせる方法を、
いつものように、完全に独断と偏見でお届けします。
1.とりあえず、「ムカついたら怒る」
「人の悪口を言ってはいけない」とか、
「そんなことで傷ついてたら相手の思うつぼでしょ?」という、
オトナなアドバイスは、個人的にはまったく効き目がありません。
相手に直接怒れる場合は、それもいいのですが。。。
たいがいは、その場でムカつくよりも、
後になってムカムカしてくることが多いもの。
「あ〜〜、なんで、あの時言い返せなかったんだろうっ!!」
「きぃ〜〜っ!あんなこと言われて、黙ってたなんて、悔しい〜〜っ!」
そんな気持ちは、一度誰かにぶあ〜〜っと聞いてもらって、ガス抜きをするのが一番です。
ただし、あまり繰り返し言っていると、
相手にウザがられたり、自己嫌悪にまで発展しますから、
とりあえず気がすむまで言ったら、次の手に。
2.可能な限り関係性を希薄にする
相手に近づかなければ、傷つけられることもありませんし、
その人の言動に苛立つこともありません。
もちろん、難しい場合も多いのですが・・・
可能な限り、仕事を一緒にしない。近づかない。
その人が出入りしそうな場所に行かない。
どうしても会話を交わさなくてはならないなら、事務的に、手短にすませる。
そして第三者と、その人の話をしないことも大切です。
3.存在を抹殺する
自分が知らない人は、この世の中に存在していないのも同然です。
そもそも、存在していない人のことを思い悩むことはできません。
しかし、どんなに関係性を希薄にしても、
今の世の中、SNSなどからその人の情報が流れ込んできて、
また心乱されたりする。
そんなとき、バサッと、相手をアンフォローする、
アンフレンドする、つまりお友達をやめてしまうと、かなりすっきりします。
さらに、その人と親しくしているような人もアンフォローすると、
余計なノイズが気にならなくなってきます。
SNSによっては相手に気づかれないですることも可能ですし、
関係性を戻したくなるようなことばあったら、そのときに再度フォローなり、
すればいいでしょう。
そもそも、嫌いな人に嫌われてもいいはずなのですが、
人間、そこは話が別なようで・・・。
出会いが多い人生。
「こいつ嫌いっ!」な人にもたくさん会いますが、
大好きな人にも、たくさん、たくさん出会います。
個人的に自分自身は圧倒的に好きな人に出会う確率が高い気がしています。
だから、なおさら、ステキな人たちとだけ、末永く、
楽しくおつきあいできればいいな、と思うのです。
関連記事
-
「雰囲気」とは身にまとうもの
「わかってないなぁ。 ああいうスキャンダラスな雰囲気、お前、出せるわけ?」 &n …
-
「お前は一体、どんな行動をして、今の状況を気に入らないと言っているんだ?」
週末なので、インサイドストーリー的お話を。 生まれて初めての音楽の仕事は、音楽学 …
-
結果が見えなくても、愚直に続ける勇気
たくさんのミュージシャンやアーティストたちを見て来て、いつも思うこと。 結局、近 …
-
「これでいいのだ」ってとこまで追い込んだら「それでいいのだ」。
ひとつのことにのめり込んで、 のめり込みすぎて出口が見えなくて、 苦しくて仕方が …
-
欲しい情報は、ありとあらゆるところにみつかる
「カラーバス効果」ということばをご存じでしょうか? 心理学用語で、 …
-
「なめたらあかんぜよ」
先日、勢いでiPhoneを10から15にしたおかげで、今までiPhoneを繋げる …
-
安心領域から出る
「自分の年収は親しい友達10人の年収の平均だ」という説があります。 親しい人とい …
-
かっこ悪いけど・・・「ギックリ腰」
さて、連日、いい感じでカッコよくLondonの街を闊歩している(かのように見せか …
-
自分が生きてきた時間を過小評価しない。
誰にでも、自分が取るに足らないと感じるときはあるものです。 傍からは、順風満帆に …
-
握手。ハグ。キス。
音楽業界の常識と一般の常識とは、 あらゆる面で、大きなずれがあります。 起業して …
Comment
初めまして❗
つい先日よりブログを読ませていただいています。
実は、3カ月ほど前からビートルズのカバーバンドのコーラスをさせていただく事となり、今までに何も経験が無い本当にド素人な私ですので、早速、壁にぶち当たっていまして、とある方からこちらのブログを読んでみると良いとアドバイスをいただきした。
私は音楽に関して全く知識が無いので、専門的な事はサッパリ分からないのですが、おっしゃっている言葉が大変分かりやすく、そして、前向きになる言葉がストレートに入ってくる感覚がとても素敵で、これから愛読させていただこうと思いまして、つたない文章ですが、書かせていただきました。
私は接客業をしておりますので、常連さん以外はほぼ初対面ですので、いつも、なるべく自然体でお客さまに話し掛ける事を心掛けています。
扱っているのが子供服ですので、自分の体験談なども交えながら、少しでもインパクトを残しつつなど、次回に繋がるといいなという気持ちで…。
なかなか人付き合いも難しいですね
日々勉強させていただいています。
私も有り難い事に会う方はいい方ばかりで、本当に感謝です。
こうしてこのブログに会えたことも感謝です❗
また、楽しみに読ませていただきますね❤
花村さん
コメント嬉しいコメントありがとうございます!
とても励みになります。
こうしてブログを通じてたくさんの方とつながれること、私も心から感謝しています。
今後ともよろしくお願いいたします!
MISUMI