挑戦か?ブランドか?
従来のイメージを守り続けるか?
それとも挑戦するか?
アーティスト、ミュージシャンは、
新しい作品をつくるたびに、あらゆるシーンで選択を迫られることになります。
「ファンを大切に思えば、これまでの作品と同じ路線で行くのが無難である」
という保守派。
「これまでのイメージを大切にしながら、少しずつ進化しよう」という折衷派。
「このままではどっちにしろ飽きられて、ファンが離れてしまう。
新しいファンを開拓するためには、思い切った挑戦も必要だ」
「挑戦することこそ、自分たちのイメージである」という革新派。
実は、アーティストの多くは挑戦したり変化したりすることを好みます。
感性にも鮮度があるため、新しいことを取り入れて、
フレッシュな感覚で作品をつくりたいという思いもあるでしょう。
そのときどきに、自分が影響を受けているアートや音楽などのテイストを取り入れたいと
感じることもしばしばです。
同じような作品を作り続けることで煮詰まってしまったり、
演奏活動に飽きてしまうこともあるでしょう。
しかし、コロコロイメージを変えることは、
ファンが離れてしまう原因になりますし、
ブランドの力が弱まってしまうことになりかねません。
だから、スタッフサイドは、大きな変化を嫌うケースが多いようです。
もちろん、アーティストの中にも、極端に挑戦を拒み、
同じイメージで作品を作り続けるという人もいます。
例えば、わかりやすいJポップで人気を博したグループが、
いきなりハードロックバンドに転向してラウドな音で演奏しはじめたら、
お客さんはどん引きでしょうし、
弾き語りとトークでファンの心をつかんでいたアーティストが
突然、ダンサーを率いて、ヒップホップを歌いはじめたら、
やはり、ファンは戸惑うでしょう。
挑戦を繰り返しても、ファンが離れない、
新鮮な驚きを与え続け、ファンを開拓し続けるアーティストたちには、
ビートルズやマドンナに代表されるように、
根底に強烈なブランド力や、軸があります。
軸やブランドのないままに、何でもかんでも手を出していたのでは、
結局、ブランドは構築できません。
自分自身のブランドや軸がしっかりとさだまるまで、
何でもかんでも挑戦だ!と手を出すのではなく、
反対に、広げすぎたフィールドを徹底的に絞り込んでいくのも大切なことでしょう。
まずは、徹底的に自分のブランドをつくり、それを浸透させること。
その上で、新しいフィールドを開拓したり、挑戦したりすること。
キャリアの浅いうちほど、じっくりと腰を据えて。
キャリアを重ねるほどに、がつがつと貪欲に。
どちらも難しいことですが、大切ですね。
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