大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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あなたのパフォーマンス、「政治家の謝罪会見」や「大根役者」になってませんか?

   

声の表現力について説明するとき、必ずやって見せる、
「政治家の謝罪会見」と「大根役者」というボイトレパフォーマンスがあります。
(あ、こう書くと、まるで芸人さんのネタ公開みたいですが、
あくまでも、わかりやすい事例としてお見せするだけです。)

 

人は心にもないことを言うとき、声に感情がこもりません。
どんなに心をこめた「ふり」をしてもダメなんです。

 

たとえば、「政治家の謝罪会見」。

「こうした事態に対し、甚だ遺憾に思うところでございます。。。」

などと深々と頭を下げている映像をニュースなどで目にするのですが、
多くの場合、その声はひどく嘘くさい。

絶対に悪いなんて思ってないわよね。。。
と感じてしまうことしばしばです。
 

心から悪いと思って謝っているのか、
謝らなくちゃいけなくて仕方なく謝るふりをしているのかは、
こどもが聞いたって、わかるもの。

 

そういえば、大きな賞を受賞して、嬉しくて泣き声を出しているのに、
涙が一粒もこぼれないという、伝説のアイドルがいたっけ。。。

 

人間は本能的に相手のウソを見破るのです。
その本能に直接作用して、ジャッジの決め手となるのが「声」。

 

 

 

だから、本当は幸せじゃないのに、幸せな歌を歌ったり、
悲しくないのに、この世の終わりほど悲しい感情を表現したりする必要のある、
ヴォーカリストや役者たちにとって、
 
今現在の意識の上では感じていない感情を、
カラダの中、心の中から、取り出す、
すなわち「演じる」修行は必要不可欠なのです。

 

ところが、この「演じる」過程で、
もうひとつ、イケてないことをやってしまう人が多々います。

 

 

それが、「大根役者」。

表現力がない、伝わらないパフォーマー、ヴォーカリストほど、
表現をオーバーに、大げさにしてしまいがちです。

 

「お父様ぁ!今日は、な〜んて星がキレイなのかしら〜!??」

星を見上げて、大げさに手を広げて、
目をうるうる、きらきらさせて、
思いきり声に抑揚をつけ、感動を演出する女優さん。

「おぉ〜。本当だ!星、きれいだ〜」

突然、星に気がついたかのように空を見上げて、
いきなり感動しながら、ため息をつくお父さん。

 

このト書きを読んだだけでも、「イケてない」のがおわかりでしょう。
そうです。

表現はオーバーにすれば、伝わるというものでもない。

形ばかりをどんなに模倣しても、そこに感情や感動が乗らなければ、
人の心を動かすことはできません。

 

心の底から感じること。

自分の経験した、あらゆる事柄から、
その時に体験した心の動きを取りだし、増幅し、
声に乗せて、過不足なく伝えること。

 

 

ヴォイストレーニングを越えた、歌やパフォーマンスの肝は、
ここにあると言えます。

 

今一度、自分自身の歌やパフォーマンスを、
「政治家の謝罪会見」や「大根役者」になっていないか、
チェックしてみてくださいね。

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 - イケてないシリーズ

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