大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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スキマ時間が自分をつくる

   

大学の新学期がはじまりました。

毎年、新学期がはじまってから数週間、
大学の授業日である木曜、金曜日の、
ルーティンを試行錯誤する時間になります。

大学では毎週決まった時間に行われる授業の他に、
個人レッスンというのがあり、
生徒の人数や、彼らの履修時間割によって、
私が大学で過ごす時間も年によって微妙に変わります。

 

この「微妙に」がミソで、
例えば、自宅を出る時間や、電車に乗る時間、
駅に到着してから大学に着くまでの時間が微妙に変わり、
食事時間や、さらには、食事の買い出しのタイミング、
立ち寄れるお店までが「微妙に」変わることになります。

 

「ルーティンワーク」とは、日々の決まり切った業務、
創意工夫の必要ない業務のこと。

 

例えば、ランチタイムはいろいろなお店に出かけて、
バリエーションを楽しみたいという人や、
空き時間は気ままに過ごしたいという人も、
多いことでしょう。

 

しかし、常に仕事のアイディアや、
企画が頭の中で動いているとき、
「今日何を食べよう?」や、
「この時間、どうやって過ごそう?」は、
思考のノイズになります。

特に、私の場合、
異様に集中力があるタイプなので、

考え事をしていると、
家を出るタイミングを間違えたり、
食事を買いに立ち寄った店で、
無駄な時間をたくさんつかってしまったり。
遅刻さえしかねません。

そこで、一切何も考えなくても、
自動的にカラダを動かすだけで、
快適に、確実に一日を過ごせる「ルーティン」を決めることが、
必須になるのです。

 

さて。

 

ルーティンを決める際に大切にしたいことは、

「とりあえず」で決めないこと。
「こんなもんか」とあきらめないこと。

例えば、私の場合、
大学では1年で30回の授業があります。
ということは、
木曜日金曜日と、年間60日間=2ヶ月間を、
大学で過ごすことになる。

こんな大量の期間、毎回、
「今日、どうしよう?」と考えたり、
「とりあえず、こんなもんか」という食事で胃袋を満たしたりするのは、あまりに時間がもったいない。
カラダにもよろしくない。

 

大学にいる時間+通勤や準備に使う時間を合計すると、
1日平均12時間~14時間。
実際にレッスンをしている時間は、
そのうちの、8時間〜10時間程度ですから、

移動や準備を自動化さえしてしまえば、
スキマ時間は、4時間程度あることになります。

 

 

このスキマ時間を
体力や集中力を温存しつつ、
カラダのためにいい習慣をこなしつつ、

快適に、効率的に、
企画を考えたり、
思考を動かしたりする時間にすることが可能なら、
一年間で見ると、
達成できる仕事量は驚くほど変わってくるはずです。

カラダのためにいい習慣も、
思考を動かす習慣も、
快適であることも、
集中力を最高を状態に保っておくことも、
なにもあきらめない。

ルーティンのちょっとした見直しで、
これらすべてが可能になります。

朝、服に迷わない、
移動手段は可能な限り、快適で負担のない方法を選ぶ、
立ち寄る店、買うものは毎回同じに決めてしまう、
自分の体調を最高にキープしてくれる食事を選ぶ、
脳のための休憩を効率的に取る・・・etc.etc.

 

自分の生活に持っているこだわりは人それぞれです。

何に快適さを求めるかも人それぞれ。

自分の大切に思うことをひとつもあきらめずに、
日々を生産的に過ごす。
ルーティンを見直し、組み直してみると、
驚くほどいろんな発見があるものですよ。

 

 

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