ライブの選曲、どうします?
3月2日のMaybe’sライブのリハーサルがはじまりました。
基本2人(スペシャルゲストは山内薫さん)。
派手でハードなライブも、
まぁ、もちろん、好きなんですが、
年のせいか、おとなになったせいか、
爆音と戦い続けることに、
時に疲れを感じることもあったりして・・・。
「とにかく一度、歌をじっくり聞いてもらえるライブをやりたい」
という数年来の夢がやっと叶う夜になります。
そんなわけで、今日は、ライブの選曲のお話を。
学生時代、学祭が近づくと、
必ず、「選曲会」という集まりがありました。
みんなでやりたい曲を持ち寄って、
音楽を聞きながら、
ああでもない、こうでもないと話し合ったものです。
みんなが「やりたい曲」「やってみたかった曲」を持ち寄ると、
音楽性のてんでバラバラな、
それはもうバラエティ豊かな曲が山ほど集まります。
結局、みんなが自分の好きな曲を次々聞かせ合う、
音楽飲み会みたいになって、
何にも決まらないで解散、なんてこともよくありました。
さて。
ライブの選曲は何を重視して選ぶべきなのでしょう?
今日は、ライブ選曲のポイントについて、
独断と偏見に基づいて、ランダムに書いてみます。
1.とにかくオリジナル!
アルバム販売や配信などがされていて、
オリジナル曲がある程度認知されている、
または、何度もライブを重ねてきて、
お客さんが曲をよく知っている場合は、
もちろん、これが一番です。
オリジナル曲をやることがライブをやる意義、
という人もいるでしょう。
お客さんが毎回、新曲を楽しみに来てくれる場合も、
これしかありませんね。
がんがん曲をつくって、披露するに限ります。
ただし、オリジナルなら何でもいいだろうというクオリティの曲をやられると、聞いている人はウンザリします。
オリジナル曲をやるなら、
曲も歌もそれなりのクオリティであることが絶対条件です。
ピッチの悪い、歌詞もちゃんと聞こえない、
へたくそなオリジナル曲を延々と聴かされることくらい、
苦痛なことはありません。
2.有名曲、人気曲をカバーする
知っている曲が出てくると、
お客さんは「あ!知ってる!」と、盛り上がるものです。
ただし、有名曲といえば、
いろいろな人にカバーされているものですから、
それなりにハードルも高い。
名曲に恥じない演奏が大切ですね。
そして、どれもこれもが有名曲ばかりだと、
ちょっぴり営業臭くなったりもします。
バランスが難しいですね。
3.名曲を自分たちなりにアレンジしてやる
名曲というレバレッジをかけながら、
自分たちなりのアイデンティティを出すというのは、
プロもよく使う手です。
「え?こんな風にやるの?」と、
いい意味で期待を裏切れたら、最高です。
ただし「いやー、これはないわ。」というアレンジにも、
結構出会います。
もちろん、セッションっぽく、
自由に演奏するのもカッコいいものですが、
腕に覚えのあるミュージシャンが集まって、
スリリングに演奏を展開できるのでない限り、
「その場で考えました」みたいなアレンジはリスキーですね。
4.「いつものあれ」
どこに行っても必ずやる定番曲というのを持っていると、
とっさの出番に悩むこともありません。
「いつものあれ」を期待して来るお客さんもいますから、
はずせない曲というのはあるでしょう。
ここがとっても難しいところなのですが・・・
どこへ行っても、誰とやっても、
同じような曲ばかりやっていたのでは、
お客さんに飽きられてしまいます。
「必ずウケる曲」「手癖でできる曲」を
入れたい気持ちは、もちろんわかる。
でも、安心領域を脱していかないと、
自分も成長できません。
難しいポイントです。
5.意外な曲をやる
お客さんの期待を裏切る曲、
自分たちの日頃のイメージとは違う曲をやってみる。
自分たちの意外な面を見つけることができるかも知れませんし、
お客さんに、嬉しい驚きを与えられたら最高です。
とはいえ、
「いやー、無理しちゃって・・・」という曲や、
奇をてらいすぎて、
誰も知らない曲ばかりになるのも考えもの。
何事もバランスですね。
いかがでしょう?
どんな曲をやるにしても、「やるからには綿密にやること」が大切だということに、変わりはないのだと、
こうして書いてみて、あらためて感じます。
綿密な打ち合わせ。
バランスよい選曲。
作品づくりとアレンジ。
そして、練習。
やっぱり、準備、準備、準備です。
がんばりましょうね。
がんばります!
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