大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「数字」に価値を見出す

   

先日たまたまYoutuberのヒカキンさんが、

「Youtuberって、要は、他の仕事しないで、
Youtubeだけでそこそこいい生活できるだけ、
稼いでいる人のことです。」

と言っているのを聞いて、

あぁ、どの世界もやっぱり数字なのね、
と思ってしまいました。

若かりし頃は、
「お金稼ぐために音楽やっているわけじゃない」
なんてカッコつけていました。

音楽の仕事はあくまでも「お仕事」であって、
「音楽」じゃないんだ、と自分に言い訳しながらも、

音楽で充分に生活できるだけのお金を稼げることには、
プライドを感じるという、矛盾も抱えていました。

 

もちろん、今でも、
私にとっての「仕事」のゴールはお金ではありません。

しかし、お金という基準は、非常にわかりやすいと、
理解できるくらいはおとなになりました。

 

興味を引かれるから、
魅力を感じるから、人が集まる。

価値ある情報や、体験を提供するから、
人はお金を払う。

ユーザーが、払った対価以上の価値を見出すから、
口コミが起きる。
リピーターが生まれる。

心を動かすから、人が動く。
人が動くから、お金が動く。

たくさんのお金を動かすことができるということは、
だから、たくさんの人の心を動かし、
価値を見出されたということ。

 

売れている人はすごい、
稼げる人はすごい、
お金を動かすからこそプロだ、と言われるのは、
そういう理由からでしょう。

 

誰もが簡単にプロを名乗れる世界だからこそ、
数字を基準にその価値を計る。

一つのものの見方として、有効です。

 

一方で、

本当の価値は目に見えないもの。
お金では計れないもの。

100万人を幸せにする音楽も、
世界でたったひとりだけを幸せにする音楽も、
おなじくらいすばらしい。

 

なんなら、歌っている自分自身しか幸せにできなくたって、
音楽はそこにあるだけで素晴らしい。

どんな職業を名乗ったって、
自分自身が認めるなら、
自分が幸せならそれでいい。

 

そんな考え方もあります。

 

 

数字をつくれるから価値があるのだ。

いや。

わかりやすい基準なんか、どうでもいい。
人がどう言ったって関係ないんだ。

 

何かを生み出し、世の中に送り出している人の多くが、
こんな矛盾と葛藤の中に生きているのですね。

きっと。

 

◆毎朝お届けしている書き下ろしメルマガ【メルマガ365】。
ここ一番の選曲に迷っている人たちのための選曲マニュアル、お届け中。
バックナンバーも読めますので是非。ご登録はこちらから。

◆自宅で繰り返し、何度でも。ヴォイス&ヴォーカルのすべてが学べる【MTL Online Lesson12】。

 - Life, 音楽業界・お金の話

  関連記事

「極上の挨拶」は多少の不出来を凌駕する。

夏の終わりを楽しもうと、 愛犬と一緒に郊外のドッグプールに行ってきました。 施設 …

「変」なのか?才能なのか?

先日、とある会社にお勤めの、 才能あふれる、知的な若者とごはんしていた時のこと。 …

「失敗の記憶」をリセットする

心もカラダもリラックスした状態で物事に取り組み、 自らのポテンシャルを最大限に発 …

無価値感になんか負けないっ!

20代の終わりの頃、 洋楽コンプレックス、英語コンプレックスを払拭するために、 …

情報じゃない。オーラに感動するんだ。

学生時代から本屋さんが大好きでした。 それは今でも全く変わらなくて、 本屋さんと …

音楽業界のお金の話

「でさぁ、その歌手にくっついて旅して、バックコーラスやらせてもらうのに、 いくら …

生(リアル)な音、ください。

溝が浅くなるまで、繰り返し聞いたレコード。 ぼろっぼろになるまで、使い込んだ歌詞 …

ティーンエイジャーという名の憂鬱

プライベートレッスンでは、事務所さんやレコード会社さんから、活躍中のアーティスト …

変化するチカラ

今日、しばらく近づけなかった眼科に、 検診に行ってきました。 質問表、検温、受付 …

人に年齢を言うのをやめてみる。

年功序列文化の日本人は、年齢をアホほど気にする。 「何才ですか?」からはじまる会 …