「数字」に価値を見出す
先日たまたまYoutuberのヒカキンさんが、
「Youtuberって、要は、他の仕事しないで、
Youtubeだけでそこそこいい生活できるだけ、
稼いでいる人のことです。」
と言っているのを聞いて、
あぁ、どの世界もやっぱり数字なのね、
と思ってしまいました。
若かりし頃は、
「お金稼ぐために音楽やっているわけじゃない」
なんてカッコつけていました。
音楽の仕事はあくまでも「お仕事」であって、
「音楽」じゃないんだ、と自分に言い訳しながらも、
音楽で充分に生活できるだけのお金を稼げることには、
プライドを感じるという、矛盾も抱えていました。
もちろん、今でも、
私にとっての「仕事」のゴールはお金ではありません。
しかし、お金という基準は、非常にわかりやすいと、
理解できるくらいはおとなになりました。
興味を引かれるから、
魅力を感じるから、人が集まる。
価値ある情報や、体験を提供するから、
人はお金を払う。
ユーザーが、払った対価以上の価値を見出すから、
口コミが起きる。
リピーターが生まれる。
心を動かすから、人が動く。
人が動くから、お金が動く。
たくさんのお金を動かすことができるということは、
だから、たくさんの人の心を動かし、
価値を見出されたということ。
売れている人はすごい、
稼げる人はすごい、
お金を動かすからこそプロだ、と言われるのは、
そういう理由からでしょう。
誰もが簡単にプロを名乗れる世界だからこそ、
数字を基準にその価値を計る。
一つのものの見方として、有効です。
一方で、
本当の価値は目に見えないもの。
お金では計れないもの。
100万人を幸せにする音楽も、
世界でたったひとりだけを幸せにする音楽も、
おなじくらいすばらしい。
なんなら、歌っている自分自身しか幸せにできなくたって、
音楽はそこにあるだけで素晴らしい。
どんな職業を名乗ったって、
自分自身が認めるなら、
自分が幸せならそれでいい。
そんな考え方もあります。
数字をつくれるから価値があるのだ。
いや。
わかりやすい基準なんか、どうでもいい。
人がどう言ったって関係ないんだ。
何かを生み出し、世の中に送り出している人の多くが、
こんな矛盾と葛藤の中に生きているのですね。
きっと。
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