大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「知ってる」だけで「わかった気」にならない。

   

「知識欲」こそが「学び」の基本。

「知りたい!」という気持ちが湧かなければ、
あふれるような情報も、
すべて自分の前を素通りしてしまいます。

「知りたい!」という気持ちはアンテナのようなもの。

アンテナがぴきーんと立つと、
必要な情報が集まってくるだけじゃなく、
それまで、なんの関係性も見出せなかったことが、
いきなり、自分の興味の対象と繋がりはじめます。

「キミの歌にはグルーヴが感じられないんだよね。」

と言われて、まずはグルーヴをググるのは、
誰でもすること。
そして、多くの人がそこで満足してしまいます。

しかし、これは、
「グルーヴとは何かを、こんな風に説明する人がいる」
という知識を得たに過ぎません。

真の目的は、
「グルーヴとはなにか」が自分の腑に落ち、
最終的には自分で表現できるようになること。

そんな気持ちで、アンテナを立てると、
集まる情報のクオリティや深さがぐっと変わってきます。

グルーヴということばは、
やっぱり黒人音楽から来ているらしい。

黒人のリズム感って何が違うんだろう?

そう思えば、
Youtubeで黒人の演奏しているシーンを探したり、
そのリズムの感じ方を研究したりします。

街を歩く黒人を見かけると、
その歩き方に目が行くようになります。

洋画で、黒人が登場すると、
その話し方や、ことばのリズムに耳が行きます。

アンテナの立て方次第で、
有益な情報が一気に自分に向かって流れこんでくるようになるのです。

いや、
あふれかえる情報の中から、
有益なものをピックアップしてくれる、と言う方が正しい。

腑に落ちない情報は、単なる二次情報です。

知る→理解する→できる。
ここがゴール。

中途半端なところでわかった気にならず、
徹底的に、追いかけたいものです。

 

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

カラダという楽器 〜 Singer’s Tips #9 〜

ピアノでも、ギターでも、 「さぁ、弾こう」という前に、 弾き手が必ずするのがチュ …

no image
「つもり」はあくまでも「つもり」

ボーカリストがカバー曲を練習するときに大切なこと。 1.オリジナルをよく聞いて、 …

変化は必然。

業界のお仕事が長いせいか、 はたまた海外生活を経験したせいなのか、 変化に対する …

安定させる!~Singer’s Tips#30~

高いところに行くと、やたら声が大きくなる。 低いところに来ると、こもってしまう。 …

なんだ、カラオケって、楽しいじゃんっ!

あたくし、今さら言うのもなんですが、 実は、カラオケが大の苦手でした。 これ、ミ …

で、「グルーヴ」ってなんなん?

「あいつのプレイ、グルーヴしてないんだよね」 「もっとグルーヴ感じて歌わないと〜 …

ホンモノか?ニセモノか?

「あいつはホンモノだよ」 「なんか、あの子、ウソくさいのよね」 一般の人たちがど …

精度の高い”フォルティッシモ”を持て!

ダイナミクス、すなわち音量の強弱のコントロールが 音楽表現の大切な要素であるとい …

高い声はどうやって出したらいいのか?

「どのくらい高い声を出せるのか?」という議論は、 「どのくらい速く弾けるのか?」 …

よき時代のよきものを、 いい形で後世に伝える方法

高校時代、何が嫌いって「古文」の授業くらい 嫌いな授業はありませんでした。 使わ …