「自分らしさ」ってなんだ?
2020/06/02
らしくあれ。
女子校時代、嫌と言うほど聞かされた言葉です。
本校の生徒らしく、
女子高生らしく、
学生らしく、
従順で、勤勉で、真面目で、
品行方正で、上品で・・・。
そんな風に使われた、
この言葉が大嫌いでした。
「らしい」ってなんだよ?
あたしは、あたしじゃない?
はみ出さないように平均化して、
勝手にラベルつけて、
お行儀よく棚に並べて・・・。
そんな風に自分自身の在り方を、
他人に決めつけられるのが、
たまらなく嫌でした。
しかし、人は「らしさ」を身につけたいと願うもの。
ある社会に属したいと憧れれば、
その社会にふさわしい装いをし、
言葉遣いをし、行いをします。
ある種の特権階級だって、
自分の属している社会の人間にしか出せない「らしさ」を、
無意識に、時に意識的に、演出しています。
上流階級しかり。
政治家しかり。
学者しかり。
ミュージシャンしかり。
ファッション関係者しかり。
内側からあふれ出る、
本物の「らしさ」の域に至っている人もいます。
「わー、うそくさい」と、
眉をしかめたくなるような人もたくさんいます。
結局は、自分自身の本質。
本当の意味での「らしさ」と向き合うことが、
自由に、魅力的に生き、
そして、
自分自身のポテンシャルのすべてを引き出すための秘訣なのではないか。
そんな風に考えています。
では、しかし、
「自分らしさ」とはなんなのか?
素っ裸で、
ノーメイクで、髪も伸び放題の、
北京原人のような自然体(?)の自分が、
本当に「素」の、「リアルな」自分なのか?
好きなものを好きなだけ食べて、
自由奔放に好きな服を着て、
言いたいことを言って、
やりたくないことはなんにもやらないで、
自分勝手に好きなことをやることが、
「自分らしい」生き方なのか?
答えは人の数だけあるでしょう。
私自身は、心が「こうありたい」と望む自分を、
表現する、表現しようとすることこそが、
それぞれの「自分らしさ」であると考えています。
他人の定規で自分の価値を計らない、
という決意は簡単なものではありません。
異端児とみなされることもあります。
批判の対象にされることもあるでしょう。
社会の中で人と良好な人間関係を築き、
社会に最大限の貢献をしていくことも、
自分自身の「らしさ」の価値を見出すために、
必要不可欠な、大切なこと。
時に窮屈で、
時にハードな努力を強いられるかもしれない。
時に自分勝手で我が儘なやつ、
変わったヤツと言われることもあるかもしれない。
「自分らしく」あろうとすることは、
選択と決断の連続であり、
瞬間瞬間に、勇気を試されること。
そして大きな責任をともなうことでもあります。
誰もがみな、自分らしく、自由に生きながらも、
最大限にお互いをリスペクトし、
支え合える存在であること。
そんな社会は、単なる「夢想」でしょうか?
らしくあれ。自分自身であれ。
Be Yourself!
そんなことばを心の中で繰り返しながら、
今日から再スタートです。
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