「誉めて!かまって!」症候群
2021/02/10
誰かにかまわれたい、
誉められたい、
認められたいという欲求は、
人間である以上、多かれ少なかれ誰にでもあります。
むしろ、無視されたいとか、
存在を全否定されたいとか思う人は、
よほど特殊なプレイを好む人以外、
まずいないと考えていいでしょう。
人間、かまわれてなんぼ。誉められてなんぼ。
認められてなんぼ。
なにひとつ恥ずかしいことはありません。
ティーンエイジャー、いや、20代、30代になっても、
そんな欲求を人に悟られることを恥ずかしいと感じる人は多いようで、
妙に自意識過剰になって、
コンプレックスをひた隠しにしたり、
人前で極端に緊張したり、
言動が不自然になったりしてしまうことが多々あります。
実際には、この不自然さ、ぎこちなさで、
評判を落としてしまう、
まわりを不快にしてしまうことさえあるのに、です。
ヴォーカリスト、プレイヤーに関わらず、
そんな「かまわれたい欲求」をエネルギーに、
パフォーマンスのパワーやクオリティを上げていくのがベストというもの。
エネルギーが強い人ほど、
ぐんぐん成長して、
自然に人にかまわれ、誉められ、
認められるようになる可能性があるはず。
ただし、欲求の高まりと成長スピード、
そして、人々に認められていくまでのタイミングには、
当然のことながら、時差があります。
この時差が、
「こんなはずじゃない」という焦燥感や、
コンプレックスを生んでしまう。
問題はここからです。
この時期を、なかなか、がまんできない。
乗り越えられない。
欲求はマックス、
努力もマックス、
誉められる気満満、
しかし、結果が全くともなわない。。。。
こんな時の人の反応は3つのうちのひとつです。
1.「もう、あかん」と、やめる。
2.「どう?あたしどう?」「俺ってダメなの?」と、
まわりの反応に執着する。
3.じっと堪えつつ、がんばり続ける。
いつも言うように、
うまくいかないでやめられるくらいなら、
さっさとやめる。
それは向いていないことだから、もっと向いていることを探す。
まわりの反応に執着すれば、
まわりはどんどん引いていく一方だし、
昨日のブログでも書いたように、
どんどん「他者基準」で自分を変えようとする。
そんな負のスパイラルに入ったら、人はさらに離れていきます。
どうしても、やり通したいなら、
ただ、じっとがんばる。
がまんする。前向きに「待つ」。
それしか、ないんですよね。
日々是修行です。
◆基礎力がないわけではないのに、歌の評価が上がらない。思うようにキャリアアップできない。ワンランク上の世界で認められない・・・。そんな悩みを抱えるシンガーたちのための中上級者向けワークショップ、MTLネクスト。2021年2月に第2期を開講!
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