大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

カラダをつくる~Singer’s Tips #23~

   

どんなに歌を練習しても、
肝心の楽器であるカラダがへなちょこでは、
いい音、いい声は出ません。

これは、もう自然の摂理です。

動物界において、
よく響く声は、健康と若さの象徴であり、
カラダにみなぎる生命力の証。

よい声は、健康なカラダに宿るのです。

ヴォーカリストはアスリート。

どんなに優れたテクニックを持った運動選手でも、
根本的なカラダができていなければ、
活躍することは無理なように、

カラダという楽器をいかに育てるかが、
本当の意味での、
ヴォーカリスとしての成長の鍵になります。

全身の筋肉を柔軟にし、下半身を鍛えると、
姿勢は自然に整ってきます。
呼吸力があがり、響きやすいカラダにもなります。

軸を安定させれば、
ノドまわりの緊張が取れ、
ピッチや音色表現の自由度が増します。
豊かなビブラートがかかるようにもなります。

基礎的な心肺機能や、持久力も必須です。

ステージの大きさを問わず、
人前で歌うということは、全身運動であり、
とてつもない重労働なのです。

これは、カラダをつかって、
全身で歌ったことのある人にしかわからない感覚です。

「カラダなんて鍛えなくてもちゃんと歌える」と思っているとしたら、
それは、ちゃんとカラダをつかって歌っていない証拠です。

はじめはヨガでも、ウォーキングでも、
手近にはじめられる、簡単な運動からはじめましょう。

カラダ意識を目覚めさせることが第一。
意識が変われば行動が変わります。
後は、続けること。

努力は裏切りません。


“MTL ヴォイストレーナーズ・メソッド” 開講します!
業界トップクラスのメソッドで、圧倒的な結果を出す。ヴォイストレーナーとして活躍されている方はもちろん、ヴォイストレーナーを目指す方、トレーナーという仕事に興味があるという方も。

 - B面Blog, Singer's Tips, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, カラダとノドのお話

  関連記事

絶対音感、いりますか?

つい先日、某テレビ局の方から不思議なお仕事の依頼があり、 お話を伺いました。 内 …

「限界ギリギリの定番曲」をいきなり歌う。

練習はルーティンからはじめる、というのは、 どんなスポーツでもおなじではないでし …

「うまくなりたいけど、練習できない」を変える3つのステップ

高校1年の頃だったか、仲のよかった友人たちが、放課後、誰からともなく『Caféに …

学ぶ姿勢

誰かから何かを学ぶときは、 ひととき自我のスイッチを切り、 その人の言うことを、 …

恋するように、バンドする。

棚卸し週間にて、 これまでにやってきたバンドを ひとつひとつ思い出してみました。 …

歌を学ぶ人の3つのステージ

私は歌を学ぶ人には、 3つのステージがあると考えています。 ひとつめは楽器として …

理屈は後付け。

先日の『イケてないロック・ヴォーカルは、なぜイケてないのか?』、 たくさんの方に …

「なんでも歌える」と言わない勇気

「どんなの歌ってるんですか?」 どんなちっちゃなご縁も仕事に繋げようと躍起になっ …

ピッチをよくする練習。

「ピッチ悪いね」 歌を志す人が投げ掛けられる苦言で、 これほど辛く、 途方に暮れ …

「学び」はカラダに刻め。

生まれてはじめて、”8ビート”ということばを意識したのは …