大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

単なるボーカリストだった私が、ボイス&ボーカルトレーナーになった理由

   

はじめて人に歌というものを教えたのは、
まだ、ボーカリストとしてのキャリアもそこそこだった、
20代の半ば頃だったでしょうか。

当時一緒にツアーを回っていたダンサーの女の子たちが、
アイドルグループとしてデビューすることになり、
プリプロ前に私に歌を習いたいと言ってきたのでした。

当然、なんのノウハウもありません。

ほとんどが、かつて1年ほど教えてもらったことのある
ボイストレーナーの先生からの受け売り。
後は、自分の歌を歌って聞かせて、それをお手本に練習させるという、
ボランティアとはいえ、実にアマチュアなレッスンでした。

当時は、自分のキャリアに思いきりフォーカスしていて、
自分がトレーナーになるなんて夢にも思っていなかった時代。
それでも、「楽しかった」「勉強になった」と言ってもらったことが
とても嬉しかったのを覚えています。

その後も、トレンディドラマの女優さんや、
ちょっとしたボーカル塾みたいなところでのレッスン、
新人ボーカリストのレッスンなどを、
ときどき、ちょろっとお手伝いしました。

やがて、A面の『コミットメント!』というポストで紹介したように、
あちこちの学校からお誘いいただくようになるわけですが、
それでも、なんでも、人に歌を教えたいなどと思ったことは一度もありませんでした。

そんな私が、「本格的にボイス&ボーカル・トレーナーをやらなくては」と思ったのは、
今はなくなってしまった、ヤマハ音楽院のボーカル科で、
ボーカルを教えはじめたことがきっかけです。
音楽院での経験や、その時代に研究したさまざまなことが、
声を徹底的に追求し、
常に最良のボイトレ・カリキュラムとは何かを研究、考察、検証するような、
『ボイトレの変態』となる現在の自分につながっています。
主な理由は・・・

1.実に優秀な楽器科の先生方の、素晴らしいカリキュラムを見て、
「なぜ、ボーカルには、こうしたカリキュラムがないんだろう?」と疑問に思ったこと。

2.鈍才の私が自分自身にボーカルを教えてきたノウハウの数々が、
たくさんの生徒たちを「こんな風に教えてくれた先生はいなかった!」と感動させ、
劇的にその才能を伸ばせたこと。

3.やがて地方の音楽学校にも、乞われて出向くようになり、
さまざまなトレーナーに出会って、
まだまだボイトレの基本カリキュラムの底上げが必要だと知ったこと。

 

4.プロフェッショナルボーカリストとしての経験と実力、
プロフェッショナルトレーナーとしての知識やノウハウを併せ持つトレーナーが、
圧倒的に少ないと感じたこと。

5.トレーナーとしてのキャリアを積むほどに、
それまで、ボーカリストとして、プロフェッショナルとして積み上げてきたものが、
すべてこの仕事のためにあったのではないかと思うほど、ひとつの線上につながったこと。

ここ2年ほど取り組んでいるのは、
ボイストレーナーとしての、自分自身というコンテンツの、
徹底的な言語化、文字化、すなわち棚卸し作業です。

一昨年は、丸一年かけて、
マジカルトレーニングラボのカリキュラムをすべて文字化しようと試み、
1年がかりで、その3分の2を書きました。
(まだ終わってないんですが。。。)
昨年は、それらを簡易化&他の先生にも原稿を寄せて頂いて、
昭和音大のボーカル科のテキストを制作しました。
今年、取り組んだこと、取り組んでいることは、
企業研修プログラムの制作。
インストラクター養成プログラムの作成。
(これがまた、ものすごい分量なんですが・・・)

そして、下半期は、さらに、まだまだ大事な仕事が待っています。

このブログは、カリキュラムにも、テキストにもならない、
でも、ミュージシャンたちには必ず伝えたいと思う大切なことを、
すべて言語化しよう!という目標の元に書き始めたもの。

おかげさまで、たくさんの反響をいただいています。

特に狙ってはじめたことではないのですが、
やはり、たくさんの人に影響を与えられることは嬉しく思います。

ネタが尽きるまで、がんばって書き続けようと思ってはじめたのですが、
恐ろしい事に、書けば書くほど、次々と語りたいこと、語るべきことがでてきます。

こうなったら、出がらしになるまで、
書いて書いて書き続けようと思っています。

今日は、とても私的なブログになってしまいました。
おつきあいいただき、ありがとうございます(^^)

 

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 - ボイストレーナーという仕事

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