「不完全なこともすべて、自分の完全性の一部。」
「不完全なこともすべて、自分の完全性の一部。」(2015/09/10 twitterより)
ずいぶん前のことになります。
アルバムのコーラスアレンジを担当させていただいたご縁で、
某人気バンドのライブにご招待いただきました。
バラエティに富んだ、実に楽しいライブで、演奏も素晴らしく、
オーディエンスの1人としてライブを堪能。そのまま楽屋に向かいました。
バンド・リーダーにライブの感想を伝えると、
彼はこっそり私にこう言ったのです。
「結構、演奏はいろいろあったんだけどさ。
そういうのもふくめてお客さんは楽しんでくれるから、いいんだよね」
完璧な演奏なら、CDを聴けばいい。
さまざまなアクシデントもライブの一部。
それをメンバーや他のオーディエンスと一緒に体験できることこそ、
ライブ鑑賞の醍醐味なのだ。
完璧主義な上に、きまじめな性格のせいで、
ライブをやるたびに反省ばかり。
精神的にもアップダウンの多かった当時の私ですが、
その彼のことばで、ライブというものへの考え方が少しだけ変わりました。
100%完璧なライブをしよう、
100%完璧な人間であろうとするよりも、
失敗もアクシデントも、ありのまま100%のライブの一部であり、
欠点も弱さも、自分というありのままの人間の一部であると受け入れる、
楽しむ、そして愛する勇気が必要なのだ。
人間は不完全な存在だからこそ、お互いの欠けた部分を補うべく、
身を寄せ合って、心を寄せ合って生きるのだ。
「不完全なこともすべて、自分の完全性の一部。」
Twitterでのつぶやきからのことばです。
そして、もうひとつ、自分のつぶやきの中に、
「完全性」をテーマにしたものがありました。
「自分の不完全さを認めるのも、それを愛することができるのも勇気。
それを補うには、何が必要かを学ぶことが知性。
そして、それを手に入れるまで戦い続ける力が才能。
本当の勝負はそこからだ。」(2011/12/10 twitterより)
Nobody’s perfect。
完璧じゃないのがあたりまえ。
完璧じゃなくっていいかぁ〜・・・
もちろん、そんな風に、ただお気楽にやり過ごせばいいとは考えていません。
日々一歩でも前に進もうともがくことが、生きることであるから。
そして、そんな、もがく自分自身が、私自分と言う人間の一部であるから。
そんなことを考えたライブの朝です。
コーラスという「楽器」はまさに、ひとりひとりでは、まさに「不完全な楽器」。
3人集まってはじめて「楽器」として成立する。
そんなひとりひとりの不完全性が、新しい完全性を生み出す・・・
思いきり、楽しみたいと思います。
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Comment
私は自分の不完全さがはがゆく、うつになりかけていましたが、ふと完全ではないけど、ここまではよしと考え直したら楽になりました。