大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

頭を2針縫いましてん。

   

3日ほど前の夜中のことです。
打ち合わせと称する飲み会からの帰り道、
ジェフ夫さんと悪ふざけしてて、横断歩道のど真ん中で大転倒。
しこたま頭をぶつけて、ホラー映画みたいに髪の毛が血糊でべったり。

たいして飲んでたわけではないのに、
頭がず〜っとワンワンして、
痛いし、寒いし、怖いしで、びーびー泣きまして。

すぐさま大きめの救急病院に連れて行ってもらって、
CTを撮ってもらいました。

結果から言えば、CTは綺麗につるりん。

頭って血流が多いから、ちょっと切るとすごく血が出るらしくって、
血糊べっとりになったものの、
傷自体は5mmとか。全然たいしたことなかったらしい。

とはいえ、それでもホチキス1個じゃ血が止まらなくって、結局2針。
「いきますよ〜。いち、にの・・・」ガッチャン!
麻酔とか、ないんですよ。
昔のインディアンが頭縫うみたいな、野蛮な音。(知らんけど)

それでも、やっぱり頭は痛かったし、
歩くとワンワンするしで、
家に帰り着いて落ち着くまでは、
ずっとひーひー騒いでました。

さて。

なんでこんなことを書いているかというと、

実は、頭打って、頭ガンガンしてる時から、
CTの結果を見せられるまでの間、
心のどこかで、ずっと、

「え〜と、これで死んじゃっても大丈夫なんだっけ?」
と、考えていたんです。

大袈裟ですね。

しかも、もんのすんごいくだらない原因でケガしてるのに、
ほんっと、大袈裟で申し訳ないんだけど、
だって、考えちゃったんだもん。

人間、そういう時に、自分にとって何が一番大事かわかるんですね。

私は頭の中でず〜っと、

「メソッドはとりあえず、ほとんど文章化したよね?」

「PCの中の文章の山と、
ブログとメルマガの記事をまとめてもらったら、
後は弟子たちが引き継いでくれるよね?」

「来春出る、新刊の準備はだいたい終わってるから、大丈夫だよな?」

・・・とまぁ、
ずぅ〜〜っと、自分が書いてきたものが、
ちゃんと、必要な人の手にわたるかどうかを考えていたんです。

まぁ、ぽっくり死ぬわけじゃないだろうから、
ジェフ夫さんには、その前にお礼を言おうとか、
ルーシーにも、ありがとって言わなくちゃ、
くらいのことは考えましたが、

基本的には、とにかくず〜〜っと、
あの文章はどこにあったっけ?
あれ、まとめてあったっけ?

ということばっかりでした。

あぁ、ホントにこれこそが、私のライフワークなんだって。
私にとって一番大事なミッションなんだって、
もう、しみじみわかったわけです。

長いこと、天職はヴォーカリストでありアーティストで、
ヴォイストレーナーは適職と思ってました。

数年前から、
もしかして、「話すこと、書くこと、歌うこと」の3つが、
天職であり、適職なのかな?と疑いはじめてはいたんですが、
今回のことで、はっきりわかりました。

私の天職は、まさに今やっていること。そのすべて。
ヴォーカリストであることも、アーティストであることも、
たぶん、与えられたミッションの一部だったんだなって。

なんか、すごくすっきりした気がしました。
そんな、人生を見直した、痛みとの数時間でした。

ちなみに、
信号は青でしたから車にはひかれてませんし、
髪の毛も剃られてないし、包帯もしていません。
頭にはまだしっかり、ガッチャンが2個くっついていますが、
傷口は頭の中ですし、頭の痛みも、まあ、もうほとんどありません。
シャンプーしても大丈夫って言われてるくらいなんで、
傷も全然たいしたことありません。
ご心配なく。

今日の教訓。
横断歩道はふざけないで、きちんと渡りましょう。

小学生かっ!

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